イムラアートギャラリー [京都/東京]

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この度イムラアートギャラリーは、佐藤雅晴の回顧展「Rabbit」を開催いたします。
佐藤雅晴(1973年大分県生まれ)は、1999年東京芸術大学大学院修士課程を修了後、2000年にドイツに渡り、10年間デュッセルドルフを拠点に活動しました。帰国後は、国内外で数多くの展覧会に参加し、今後の活躍を期待されておりましたが、2019年3月に長年闘病を続けていた癌のため45歳という若さで他界しました。
佐藤の作品は、日常風景を撮影した実写をパソコンソフトのペンツールを用いてトレースして制作されており、独自の世界観を確立しています。実写とのわずかな差異から生まれる違和感は、現実と虚構を行き来するような感覚を生み出します。佐藤の目線で切り取られた世界は、一見何気ない風景のようでありながら、その現実と虚構の狭間に入り込んだ私たちに新たな気づきを与えてくれるでしょう。
本展では、佐藤の制作活動を振り返る機会として、直近10年間に制作された平面作品2点と映像作品5点を展示いたします。

会期:2020年1月11日(土)~2月16日(日)
会場:国立新美術館 企画展示室2E
出品作家:佐藤雅晴

この度イムラアートギャラリーでは、日野田崇個展「手と色形楽」を開催いたします。

手と色形楽       

 私は、一貫して陶による立体造形に取り組んできました。その姿勢は、陶を基盤にしながら、あくまで現代の視覚造形のひとつの在り方を追求するものです。私が陶の最も重要な特質と考えているのは、時間を超えて「半永久的に遺物として残り続ける」可能性があるということです。そして制作においては、もうひとつ、物質である素材と、それを手で加工していくことを重視しています。それは労働の一種ですが、それを概念に完全に置換することはできません。そこには、単に手仕事への懐古的な郷愁にとどまらない、「もの」と人間の感覚の交感に伴った官能性や抵抗感、循環をともなったやりとりがあります。利便性に偏った現代人の生活はこのような要素をどんどん失くしていく方向に向かっていますが、それと逆行する手の労働にはもっと積極的な意味があると思っています。
 近代的な「美術/工芸」のような二元論や、概念を基盤にしたテキストやリサーチ、映像的な手法を多用するContemporary Art の領域とは別の枠組みを自身の制作に想定するために、最近では「手色形楽(しゅしきけいがく)」という言葉を使っています。今展ではとくにその用語を展覧会の表題に押し出しています。" Art" や" Kunst" といった西洋の概念と用語に対応する枠組みを、あとから当て嵌めたがために、諸工芸、書などの居場所が宙ぶらりんになってしまったのは周知の史実です。「手色形楽」とは、そのような状況の中で、前近代的な復古に走ってしまうことなく、自分にとっての色やかたちそのものの価値をもう一度見つめていこうという試みです。
 1970 年代の初頭、ブラジルが軍事政権下にあった時代に、当局の歌詞検閲をかわすために、ミルトン・ナシメントが「魚たちの奇跡」の収録曲のほとんどをスキャットで歌っていたという事実は、私にとって重要です。このエピソードは政治的な要素も持っていますが、本来の「音」の潜在力を彼が知っていたことの証左のように思えるのです。色やかたちにもそれと同じような作用があるのではないでしょうか。色とかたちは本来、それ自体がひとつのことばのはずであり、ときにはヴァーバルな言語をはるかに凌駕するほどの戦慄的なカタルシスを見る者にもたらすことがあります。
私にとって、映像の色彩がなにかいまひとつ物足らなく感じるのは、おそらくそれが「光」をベースにしているからだと思っています。「光」は概念の足場である意識に働きかけます。それとは対照的に、陶の色彩は「もの」に受肉した啓示であり、重さや陰、灰汁のようなものを含んでいます。そこには私たちが自らの身体性を再考するきっかけが潜んでいると信じています。

日野田 崇

歪み、デフォルメ、ブレ、反復、と

 生命体とも言い切れない存在。頭部、胴体、手足のようなパーツはデフォルメされ歪み、触手のようにしなやかに伸び、分裂し変態しながらもバランスを保ち立つ。表面のイメージもまた同様の特色を持ちつつ、かたちに寄り添いながらもブレてまた反復する。このように日野田崇の作品群には、歪み、デフォルメ、ブレと反復という特徴が顕著である。これらの特徴が、立体というかたち、イメージ、展示される場に、絡み合いながら展開する。
 日野田は制作のプロセスにおいて、スケッチやマケットのようなものを予め用意せず、直接土に向かう。それは感覚だけを頼りに手を動かす身体的なものである。日本の漫画、アメリカン・コミック、グラフィティ、イラスト、町中でみかけた広告、看板、浮世絵、さらには大津絵など多岐にわたるイメージから影響を受けており、フォルムはぬるりとしなやかな変形が施され、イメージはクリアな黒いアウトラインで塗り分けられる。
 日野田は自身の制作過程の別の影響要素として音楽を挙げる。ジャンルにこだわらず即興的なものを好み、そこで体得する感覚を重要視する。なるほど、フリースタイルなリズム、グルーヴに自らの直感を乗せ、土に直接手で触れ、成形、色を施し、素材との交信を重ねる過程で、時に無意識も意識するかのように、記憶や経験と身体とが一体となり、立体というひとつの姿へと変貌をとげる。この勢いは立体に留まらず、台座、床、壁面へと展開する。この時、日野田は与えられた場の内にイメージをレイアウトしなければならない。だが視点を変えれば、この構成により展示空間は、四方八方にぶつかり跳ね返るリズム、叫び、そのエコーの増幅と拡散の場と化すのだ。このように捉えると、歪み、デフォルメ、ブレと反復は、予定調和に収まりきらない、より動的なるものの連鎖の表れである。
 この歪み、デフォルメ、ブレと反復は現代を生きるひとりの思考の投影でもある。土による成形、マスキング・テープを用いてフリーハンドで分割された面に極細のノズルから自身の息で塗料を吹き付けるといった作業等の幾度もの繰り返しは、制御と忍耐そして時間を要するものである。さらに焼成による外形や色の変化は作家による制御を裏切る。作家はその都度、決断と選択を迫られる。こうした工程は、日野田にとって、既に混沌とした社会に生きる自身の全身全霊を創造に投げ入れる行為に均しい。あたかも、自然環境と日常の営みが危機的状況にある現代を受けとめ、当事者としてこの社会といかなる関係を構築できるか模索するかのごとく。
 一貫して土という物質を用い、身体と素材とのダイレクトなコミュニケーションによる制作にこだわり抜く所以のひとつに、このように、一方に直感と即興という内なる衝動と速攻性、他方に行為の制御、忍耐、反復という外的要因を伴う作業といった二極にあるものの相互共存の必然性があるからではないか。作品タイトルがテーマあるいはコンセプトであり、かたちと色はその描写という一方向のみに集約されがちだが、違う。直感、触知、記憶、素材と生成のプロセス、思考、言葉-これらが作家の身体を通して密接に関わり、同時並行的に、時にそれぞれの要素が交互に通奏低音となり、その上で他の要素による演奏が進行するかのように、かたちと色が紡がれるのである。
 丸みのあるフォルム、表面のざらつきは皮膚のようでもあり、卵の殻のような質感を帯びる。イメージは滑らかに吸い付くように表面に延びる。こうして現前する造形は、支配と管理に好都合なシステムに組み込まれ、身動きが取れない現代人の姿。だが、この世界に今もなお未来を抱くことが出来るのであれば、この先が見えず抑圧された状態からの解放を予見するものであってほしい。

北出智恵子
(キュレーター/美術批評)

会期:2019年11月13日(水)~11月19日(火)
会場:髙島屋京都店 6階 美術画廊
出品作家:西村圭功

会期:2019年10月23日(水)~10月29日(火)※最終日は午後6時閉場
会場:三越銀座 7階 ギャラリー
出品作家:山本太郎

■ギャラリートーク:2019年10月26日(土)
■茶会:2019年10月27日(日)

この度イムラアートギャラリーは、芸術における「やきもの」の可能性を探求し、多様な表現を展開する上田順平の個展「シン/エン」を開催致します。
上田は、これまで「やきもの」が背負う文化や歴史、「うつわ」という概念、装飾と機能および用途に対しての問いから、それらの関係性に着目した作品を制作してきました。

2010年には、「五島記念文化賞美術新人賞」を受け、同年より(旧)五島記念文化財団、(現)東急財団の研究員としてメキシコに滞在しました。本展は、(旧)五島記念文化財団の助成を受け、本年1月に横浜市民ギャラリーにて開催された海外研修成果発表展での作品を中心に構成されます。

上田は、研修期間中に、メキシコの風土や文化、古代文明を伝える考古学資料に触れたことにより、長い時間の中で紡ぎ出され受け継がれてきた「やきもの」の変遷や、文明と技術と芸術の接点について考えるようになったと言います。

そして、水をすくう動作から生まれた掌のなかの水面の形に四角形を見たことから、原初から現在までのヒトの営為を繋ぐ手がかりとして四角形という図形に注目し、作品の要素としました。

一方、研修後の大きな変化として、これまで素材としてきた陶磁器に加え、レンガ、瓦、*1ファインセラミックスを作品素材に用いるようになりました。
世界最古の建築資材の一つであるレンガと、焼き物の歴史の最先端に位置するファインセラミックス、そして、日本の風土から生み出され育まれ続ける瓦*2(淡路瓦)、それぞれが持つ文化的背景や物質の特色から作品素材として選択され、それらの焼き物だけが持つ材質感と色彩による表現を提示します。

イムラアートギャラリーの展示スペースは特徴的なレンガ床を呈しており、作品としてのやきものと現代生活の中で機能する焼き物の在り方や、作品と展示空間の豊かな色彩の重なりにもご着目いただけます。

本展では、これらの多様な「やきもの」を用いて、「最初の理の発見から今日までのヒトの営為と物質と時間の関係」を可視化し、観者の中に一つの体験を生み出すことを試みます。


*1ファインセラミックス
ファインセラミックスは、ガラスや陶磁器などの仲間であり、その中でも精製された原料を用いて作られた高精密・高機能なセラミックスを指します。自動車やスマートフォン等の部品として幅広く用いられています。

*2淡路瓦
淡路瓦は、日本三大瓦の一つであり兵庫県淡路島で制作されています。淡路島特有の良質な土から作られ、煙で燻す事で表面に炭素の膜をつくる「いぶし瓦」を主体とします。粒子が細かく美しい仕上がりが特徴です。


会期:2019年8月1日(木)~8月17日(土)
会場:switch point
出品作家:土屋貴哉

会期:2019年8月7日~10月27日
会場:香港大学美術博物館
出品作家:長倉健一、西村圭功、樂雅臣

■公式セレモニー 2019年10月9日
■シンポジウム 2019年10月10日

会期:2019年8月10日(土)~10月20日(日) ※展示替え期間有
   前期 8月10日(土) - 9月16日(月・祝) 後期 9月21(土) - 10月20(日)
会場:富山県美術館
出品作家:山本太郎

■茂山千五郎・茂山千之丞と山本太郎によるトークセッション
日時:2019年9月21日(土) 14:00- (約90分)
場所:富山県美術館3階ホール(定員約100名、先着順、要企画展チケット提示)

会期:2019年7月31日(水)~8月6日(火)
会場:大丸京都店 6階 アートサロン ESPACE KYOTO ※最終日は午後5時閉場。
出品作家:山本太郎

会期:2019年7月13日(土)~9月29日(日)
会場:石川県能登島ガラス美術館
出品作家:田嶋悦子

会期:2019年7月20日~10月9日
会場:東京都美術館

会期:2019年7月12日~7月27日
会場:KEN NAKAHASHI
出品作家:佐藤雅晴

会場:大阪文化館・天保山(海遊館となり)
会期:2019年7月12日(金) ~ 9月23日(月・祝) ※会期中無休
出品作家:佐藤雅晴

会場:阪急うめだ本店〈9階 阪急うめだギャラリー〉
会期:2019年6月26日(水)〜7月8日(月)
出品作家:川人綾、宮本佳美
※本展は右記会場も巡回いたします。三菱地所アルティウム(福岡)他

[同時開催]
MIZUMA ART GALLERY × imura art gallery
数寄景の向

会場:阪急うめだ本店〈9階 アートステージ〉
会期:2019年6月26日(水)〜7月8日(月)
出品作家:川人綾、染谷聡、堀尾貞治、桃田有加里、宮本佳美、山本太郎

日時:2019年5月9日(木)-6月15日(土)
会場:ピエールイブカーエギャラリー/フランス
出品作家:川人綾

会期:2019年5月8日(水)~5月20日(月)
会場:新宿高島屋 10階 美術画廊 ※最終日は午後4時閉場。
出品作家:山本太郎

日時:2019年4月20日(土)-5月25日(土)
会場:Takuro Someya Contemporary Art
出品作家:川人綾

会期:2019年5月1日(水・祝)~5月20日(月)
会場:日本橋高島屋S.C. 本館6階美術画廊X
出品作家:田嶋悦子
画像Ⓒ斎城卓

会期:2019年1月31日(木)~2月17日(日)
会場:横浜市民ギャラリー展示室B1 ※入場無料 会期中無休
出品作家:上田順平

上田順平の五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念成果発表展を開催いたします。

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