イムラアートギャラリー [京都/東京]

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この度、イムラアートギャラリーでは英ゆう個展「森」を開催いたします。

英ゆうは、2007年に京都市芸術文化特別奨励制度の認定を受けてタイに渡り、2009年末までバンコクのシラパコーン大学でレジデンスを行ってきました。

かねてからタイの供花や伝説をモチーフにした色彩豊かな油彩画を描いてきましたが、この期間はよりじっくりとバンコクの街を眺めて暮らすうちに、描く対象の大小を逆転したり、だまし絵のような錯覚的なイメージを多く集めて描くようになりました。
またバンコクでは、油彩画の他にレリーフエッチングやモノタイプなどの版画制作にも取組みました。
油彩画とも水彩画とも違う発色、色の変化や、自分の意志以外の力が働いて完成する版画は、作家に新たな刺激を与えたようです。

今回の展覧会では、バンコクで作成した版画作品約18点とチャオプラヤー川を描いた油彩画大作などペインティングを4〜7点展示する予定です。
今回のタイトル「森」には混沌や混雑、現地の熱帯雨林など、バンコクの生活を象徴する意味が込められています。帰国後初の個展となります。
二年間に渡るタイでの成果を是非ご高覧ください。

また、会期を一部重ねて京都芸術センターの大広間で個展「外を入れる。」(6月13日(日)まで)も開催しております。タイで制作した油彩画大作や版画を、畳が敷き詰められた会場でインスタレーションします。あわせてご覧ください。

この度イムラアートギャラリーでは「佐藤雅晴 バイバイカモン」を開催いたします。

佐藤雅晴(1973年 大分県生まれ)は、1996年東京芸術大学美術学部油画学科を卒業後、1999年同大学大学院修士課程を修了。2000年にドイツに渡り、デュッセルドルフを拠点に活動していましたが、今春から、活動拠点を日本に移します。

ドイツ滞在中に独学でアニメーションを学び、制作を続けていましたが、昨年の岡本太郎現代芸術賞にて「アバター11」と題されたアニメーション作品で特別賞を受賞しました。
又、昨年はソウル市立美術館で開催されたCity net Asia2009や、今年1月にはフランス大使館旧事務所棟にて開催されたノーマンズランド展に参加し、去る六本木アートナイトにもビデオプログラムにアニメーション作品で参加しました。平面作品では自身で撮影した写真をコンピューターに取り込み、その画像をトレースし、ペンタブレットを使用してパソコンの画面上で描いていきます。

初期段階に存在していた写真データは消去され、完成した画像を最終的にプリント出力するという手法で制作しています。
写真でも絵画でもなく、又、写真でも絵画でもある、新たなイメージを表現しようと試みています。
アニメーション作品では、平面作品と同様の手法を用いて、映像表現における新たなイメージの表出を目的に制作をしています。
今回の展覧会では新作を含むアニメーション映像作品を3点、平面作品を5点、展示予定しています。
デジタル技術を駆使しつつも手描きにこだわる作家の独特な手法から生み出される表現をご覧ください。


Interview with 佐藤雅晴

一日の平均入場者数4000人という、現代美術の展覧会では異例の集客数を記録したNo Man's Land展。
旧在日フランス大使館を舞台に国内外から多数のアーティスト達が参加。
その中でも異彩を放っていた作家・佐藤雅晴が、日本では2度目となる個展をイムラアートギャラリーで開催する。5月の個展に先立ち、デジタル技術を駆使しつつも手描きにこだわる作家の独特な手法から生み出される表現について話を聞く。

まず、今回の個展のタイトルでもあり、出品作の「バイバイカモン」についてお聞かせください。
佐藤:このタイトルは、ドイツ留学中に見たアダルトビデオから発想を得ています。
ビデオの中で、外国の女優さんが絶頂を迎える時に発した台詞は「come on !」でした。
これは、僕が、その当時まで、日本で認知していた、「いくーっ !」とは真逆の意味でこの「come on !」には「行く」と「来る」二つの意味があることを後で知りました。
エクスタシーに行くのではなく、エクスタシーが来るというニュアンスなのですね。

海外生活に於いて外国語の持つ概念のずれや違いはよく指摘されるところですが、この180度反対の言葉で同じ事を指し示すという複雑怪奇な出来事は作品の表現として転化できるのでは?と思い制作にとりかかりました。
自分のおかれた立場や状況によって生まれるこの矛盾。出品作の「バイバイカモン」では、まさにこの混沌加減が作品化されていると思います。
 
佐藤さんの制作方法について教えて下さい。
佐藤:普段からスケッチや言葉を書き留めているアイディアノートがあって、このノートに描かれたアイデアは、瞬間的にアニメーションでいける!と決定できる時もあれば、一年以上かかってもどちらにしようか迷っている時もあったりと、この選別作業が一番面白いんです。
そしてアイデアを具体化するために、モデルやモチーフを用意し、撮影する場所を探して、まずは実写で撮影を行います。その撮影した動画や写真をコンピューターに取り込んで、Photoshopというソフトを使い、トレースして、あとはひたすらペンタブレットを使って描いていきます。

わかりやすく説明すると、キャンバス(モニター画面)に向かって、絵の具(Photoshop)を筆(ペンタブレット)ではしらせている感じです。そして、原画が完成した時点で、レイヤー分けされた実写のデータは消去され、イメージだけが画面上に定着します。
アニメーションは、このイメージの積み重ねで動きが生み出されているので、作業をしている本人からすると静止画のオンパレードなんです。時間をかけて一枚一枚静止画を描き繋げていってアニメーションの形にしたあとでやっぱり一枚の静止画のほうがイメージをストレートに伝えられることに気づいてしまい泣く泣く他の静止画がお蔵入りしてしまうこともあります。
 
なるほど、ではやはり実写をベースに制作されているから写実的なビジュアルに作品がむすびついているのですね。
佐藤:そうですね。最終的には実写のデータは消去されますが、一度撮影した事物を自分の中で解体しつつも再び元の事物に復元していく感じというか...例えば、僕の実家には仏壇のまわりにたくさんの先祖の遺影が飾ってあって、それを見て育ちました。
遺影というのは印画紙に焼き付ける前にかなり修正されているのです。
皺を取ったり背景を入れ替えたり衣装を合成したりいろいろと加工されることで、その肖像のイメージアップがなされる、つまり単純に記録として定着させるのではなく恒久性を帯びさせていくという点で僕の行っている作業にとても近いと思います。
 
佐藤さんの作品は、暗い、怖いイメージが多いように感じられます、これは意識的にそういったテーマを選んで制作しているのでしょうか?
佐藤:個人的にホラー映画が大好きでよく観ているからかもしれません。
ただ、ホラー映画といっても、普段は目に見えない存在が突然現れて恐怖したり、身体的な痛みの感覚を植え付けながらも虚構で終始するものではなく、メタフィクション(超虚構)を描いている作品、例えば、デヴィット・リンチ監督の「ツイン・ピークス」などは強烈にメタフィクションを感じます。
それに彼の作品を見ていて感じる不安感はとても言葉では言い表せないものですが、リアリティのある夢を見させられている感覚があって、何度観ても新たにインスピレーションを受けます。
 
最後に、これからの展開についてお聞かせ下さい。
佐藤:今回の出展作品のアニメーションはすべてループ映像として制作しています。
去年制作した「Avatar11」でもループの手法を用いて映像にしています。
ループを用いるのにはいろいろと理由があるのですが、例えば、出展作品の「escalator girl」のように下降用のエスカレーターを登って進む人物の行動を一部ぬきとって、それを反復させる事により進むという行為の意味が変化していったり、見る人の受け取り方で無限の広がりを与える事が可能です。
また、ループを使う理由とはちょっとズレますが、展示された映像作品を観賞する際にたまたま途中から見出した場合、途中→終わり→始まりの流れで映像を観ることになってしまい、長時間の映像や起承転結のあるものは余計にこの構造が悪印象につながる事があります。

ただ、一概に起承転結のある映像作品すべてがそういった印象を与えるわけではないと思うのですが、映像表現の持つジレンマみたいなものを無自覚に垂れ流している作品に出会うと、少し傲慢な感じを受けてしまいます。しかし、同じ平面上で展開している絵画にはそのような事は感じずに観れると思うのです。
絵画はその飾られた展示場に佇んでいるというか、いつでも待っていてくれています。
当たり前と言われればそれまでなのですが、絵画のもつ自立性みたいなものを映像表現を使って、今後も「始まりも終わりもない感覚」を表現できないかと考えています。

この度、イムラアートギャラリーでは「上田順平展」を開催いたします。

上田順平(1978年 大阪府生まれ)は、日本の伝統や大衆文化をモチーフにした作品を制作してきました。彼の手から生み出される作品は、生活の中で見慣れているものを違う視点で見せるだけに、私たち現代人を戸惑わせつつも、強く訴えかける力を持っています。そのかたちは単なるパーツの寄せ集めではない新しい生き物の誕生であり、国や文化を越えた造形と言えるでしょう。

しかしその表現は、陶磁器という素材によって制作されている点において、重要な意味を帯びてきます。上田は、異なるキャラクターの組合せや性別の同居、機能と装飾の関係など、様々な要素の混在により作品を構成します。この混在は、現代美術と工芸、西洋と近代以降の日本など「間(はざま)」にある陶芸や自分自身、今の日本をかたちにしたものと言えます。そしてこの表現は、日常的に馴染み深く、「うつわ」になり「おきもの」にもなる、まさにはざまにある「焼きもの」だからこそ可能であり、あらゆるものや思想を受け容れ広がってゆく可能性をもっているのではないでしょうか。この「焼きもの」という特質と上田の創造性が、強く深く結びついているのでしょう。

昨今、日本的な要素をモチーフにした作品は多く見られますが、上田の作品は表面的な見た目の面白さに終始しない、卓越した技術と感性、探究心に裏付けられています。
今回の展覧会はパート1、パート2の二部構成とし、前半は2009年に岡本太郎記念館で発表した大作を展示し、後半では、常に表現の広がりを求める上田が今まで行ってきた装飾を可能な限り排除した新作を約5点展示します。特に後半は今後の上田の方向性を知る上で見逃せない展覧会となります。

昨今、五島記念文化財団の美術新人賞を受けた上田は、9月からメキシコへ渡り、一年間の予定で滞在制作を行います。
ますます広がってゆく上田順平の今とこれからに是非ご期待ください。

■パート1:「帰ってきたウラシマピーターパン」   会期:2010年4月3日(土)〜2010年4月10日(土)
■パート2:「カンゲン」  会期:2010年4月13日(火)〜2010年5月1日(土)

この度イムラアートギャラリーでは「Harmony Analysis: 中山徳幸 渡邊佳織」展を開催いたします。

中山徳幸(1968年、長野生まれ)は、武蔵野美術大学で油絵を学び、2003年にシェル美術賞に入選、2006年にはVOCA展の出品作家に選ばれました。

中山は一貫して女性を描き続けています。中山の作品は、単純化された線によるフラットな描写からは想像もつかないほど、無数の色層の重なりによって成り立っています。キャンバスいっぱいにクローズアップされた女性の顔。モデルは中山自身の中にある記憶やイメージだと言います。
彼の創作は、日常生活における人との出会いから生まれる感情や印象を表現するという極めて個人的で自然な思いから発し、シンプルに昇華された形となって表されています。

一方、成熟した女性ではなく、少女を描き続ける日本画家・渡邊佳織(1984年、静岡生まれ)。昨年、京都嵯峨芸術大学大学院芸術研究科を修了し、京都嵯峨芸術大学卒業制作展では卒業生特別賞を受賞しました。

その高い技術と表現力によって、あどけなさと成熟さをあわせもつ少女の多感な世界を表現しています。そこには、脆弱さと鋭利さが調和した不思議な空間が描き出されています。
男性/女性、アクリル/日本画、この二人に相違点はあるものの、中山と渡邊の作品は美しいという点において共通しています。今回、彼らの旧作と近作を展示いたします。
美しい調和の秘密をさぐるべく、作品との対話をお楽しみいただければ幸いです。

この度イムラアートギャラリーでは「俗なる美意識 − 上田順平・山本太郎・龍門藍」展を開催いたします。

本展覧会の作家たちが用いる技法は陶芸・日本画・油彩とさまざまですが、彼らは現代の日常生活に根ざした視点や感覚で、日本独特の文化意識や慣習がはらむ問題をとらえて制作しています。

伝統的なものから、通俗的、土着的、ときに卑俗的なものにいたるまで、彼らの関心は幅広く、近代以降の日本文化の雑食性を映し出しているようです。その雑食性こそが日本特有の美意識であり、日本文化の一面を表しているといえるかもしれません。

歴史を振り返り、現在を見つめる彼らの作品には、新しさを予兆する何かが表現されています。

この度イムラアートギャラリーでは吉田翔個展 「INSPHERE - つつみ込まれるように -」を開催いたします。

道端に咲く花や光と戯れる夜の街...日常の何気ない風景を絹に墨と胡粉という日本画の素材で描き続ける吉田翔。日本画出身の作家と聞いて一瞬驚くのは、その作品がマチエールを感じさせず、まるでコントラストの強いモノクロ写真と見間違うからではないでしょうか。しかし作品に近づいてみると、吸い込まれそうな漆黒が実は松煙墨、発光しているように眩しい白が白鷺胡粉によって描かれている、正に絵画なのだということを確認するのです。

作品はあくまでシンプルでストイック。展示空間の中で静かに呼吸しているように感じる作品たちは、「主張し過ぎていない、品のある絵。ただそこに佇んでいるような感じの絵が描きたい」、「一枚の絵を見るというよりは、俯瞰して空間の中にどうあるか」を考えながら制作する吉田の言葉そのままと言えるでしょう。

当ギャラリーでは2回目の個展となる本展では「光と影/白と黒」をテーマに、花と夜の街のシリーズを中心に新作を含め約25点を展示予定です。

この度、イムラアートギャラリーでは「伊庭靖子展 - resonance 共鳴・余韻- 」を開催いたします。

伊庭靖子(1967年京都生まれ)は、現在最も注目されている作家のひとりです。
今年2月に開催された神奈川県立近代美術館・鎌倉館での個展では、過去約10年間の作品を展示。
今年4月には、資生堂ギャラリーで開催された「椿会2009:Trans-Figurative」において新作を出品し、
光と質感の表現を探求するストイックな作家の姿勢が広く評価されました。
今年末には、国立新美術館の「DOMANI・明日展」に出品いたします。
今後の活動に一層の期待が寄せられています。

伊庭は、クッションやソファー、果物、磁器など、日常の身近なモチーフを、自然光のもとで自ら撮影し、
その写真のイメージを素材にして、写実的に描きます。
しかし、伊庭が描き出すのは、ハイパーリアリズム的な無機質な世界ではなく、親密な空間そのものです。
筆触を残さずに緻密に描き出した質感と光によって、観る者の五感と記憶を揺さぶります。
見る側を共鳴させ、独特の余韻を与える力こそ、伊庭作品の魅力といえるでしょう。

今回展示するのは、クッションと陶器のシリーズです。110×240cmの大作を含む油彩新作5点とパステル画になります。ぜひご高覧ください。

この度イムラアートギャラリーではZAnPon Exhibitionを開催いたします。

1981年大阪生まれのZAnPonは、大学卒業後に国内と海外の展覧会を経て、SONYやユニクロといった様々な企業とコラボレーションをしてきました。

彼の作品は一見、印刷物かパソコンで処理をしたかのように見えますが、フリーハンドで下書きなしにボールペンで描かれ、色鉛筆で細密に色が施されています。紙の上でボールペンがリズミカルに自由に動き、画面には様々なキャラクターや模様が生まれ、やさしい世界が無限に広がっています。

彼の作品の魅力はフォルムと色の美しさです。
128色以上ある色鉛筆の中から色を選ぶ際、どこに何色を配色するかは、ボールペンによる下絵ができた時点でオートマティックに決まっているといいます。
感覚的な部分で描いていくので、作品の仕上がりのイメージを持たず、ペンが走るまま描き進め、制作途中で彼自身驚きの発見が多々あるといいます。見る側も自分の創造性を刺激され、自分専用にカスタマイズした解釈ができ、それぞれ違ったカタチで楽しんで見ることができます。

本展は4年ぶりとなる待望の新作個展です。エネルギー溢れる、彼の心風景である作品を是非ご高覧ください。




生きている間
ずっとHAPPYな気持ちでいる事は
とても難しいです。

だから、一瞬でも少しでも

人を大切に想い
人に優しくなれる

そんな、キッカケになる
感動を描き続けたいです。

一人でも多くの人が
HAPPYになれることを願って・・・

ZAnPon


ZAnPon

1981  大阪府生まれ
2005  大阪芸術大学工芸学科卒業

主な個展
2005  digmeout cafe/大阪    
     アップリンクギャラリー(東京)
2009  イムラアートギャラリー(京都)

主なグループ展
2005   Compound Gallery(ポートランド、アメリカ)     
      blacklab gallery(ブリスベン、オーストラリア)
2007   Nucleus Gallery(ロサンゼルス、アメリカ)
2008  「GEISAI #11」(東京)
2009  Joshua Liner Gallery(ニューヨーク、アメリカ)

コミッションワーク
2009年、2010年度大阪芸術大学の大学案内
SONY「canvas@sony」VAIO・WALKMAN・HEADPHONEデザイン
UNIQRO「INSPIRED NUMBER 」Tシャツデザイン
TOY'S FACTORY セカイイチCDジャケットデザイン
AndA コラボレーションTシャツ
小学館の百科事典カバーイラスト
りそな銀行「RESONART」キャッシュカードデザイン
MINI「MINIinternational #27 京都」
IdN magazine(香港)
Lodown magazine(ドイツ)
Cream magazine(香港)
Dpi magazine(台湾)

この度イムラアートギャラリーでは染谷聡展を開催いたします。

染谷聡は、現在京都市立芸術大学の博士課程に在学。染谷の作品は、動物や怪獣などのイキモノをモチーフに、 漆という素材の持つ美しさや伝統的な技法と染谷独特の現代的感覚とが融合した、どこかキッチュな立体作品です。 
染谷が現在制作において最も興味を抱いていることは「イメージや記憶、交差するアイデンティティー」。 昔の記憶やイメージと、現在の自分や日常とが混ざり合い、自身に内在する今と昔の関係性を漆を通じて表現します。

今回の展覧会タイトルは「御獣 〜おけもの〜」。イキモノが持つフォルムの美しさに魅せられている染谷ですが、イキモノをモチーフに制作を続けているのは、幼少期に6年ほどインドネシアで生活していたため、 人間と動物との距離が近く、そのイメージが非常に強く、無意識のうちに現在の制作に深く影響しているからです。

又、染谷の作品で特筆すべきは、蒔絵・漆絵・螺鈿・沈金といった漆の伝統的な加飾技法を、 意表をつくイメージやレディメイドの日用品を用いるなど工夫をこらし、まるで子どもが壁に落書きやシールを貼るかのように、 楽しみながら好奇心旺盛に施しているところです。
本展では漆の立体作品に加え、初のイラストを含む新作10数点を展示する予定です。

伝統的な漆という素材を自由な感性でのびやかに表現する染谷聡ワールドを是非ご高覧ください。

この度イムラアートギャラリーでは渡辺おさむ・尾家杏奈・廣川惠乙 グループ展「Entrance into Garden」を開催いたします。

デコレーションケーキに見られるような、絞り出されたクリームの形状を使った表現「Fake Cream Art」で新しい芸術表現分野を確立している渡辺おさむ。ターナーアクリルアワード審査員特別賞(2005)、アミューズアートジャム2007 審査員特別賞受賞などで注目を集めており、 最近では上海、ベルギー、そしてベネチアビエンナーレに参加するアーティストとの二人展、 今夏の越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」では小沢剛とのコラボが決定するなど世界的に大活躍です。

そんな注目アーティストと共に作品を並べるのは今年の4月から芸大の修士課程にはいった二人の若手女性アーティスト。 尾家杏奈と廣川惠乙。 若手アーティストの発掘と育成を目的とした「via art osaka」「via art EFD」に参加して以来、多くのコマーシャルギャラリーが注目しています。

京都市立芸術大学大学院で油画を専攻する尾家杏奈。ヨーロッパの風景画を思い出させる幻想的な画面に、尾家の好きな"うさぎ"などのキャラクターが登場し、独特の絵画世界で存在感を放ちます。

そして神戸出身で多摩美術大学卒業後、東京藝術大学大学院の修士課程に在籍する廣川惠乙。ペン、鉛筆を駆使した白黒の世界に描かれるのは、夢想にふける女の子と水と光をイメージした廣川の視覚的記憶に残る記号・・・。 現実と非現実が混じりあう不思議なイメージの世界に見る側は引き込まれそうです。



「私は表現の根源としてクリームのデコレーションをとりあげる。 私の記憶のなかには、製菓教室の講師である母親がいつも作っていたケーキがある。 それは私が生まれてきた環境に常にあったものであり、深い印象を私の視覚に、記憶に残した。 そのクリームの表現方法に魅力を感じ、永遠に形が残る食品サンプルの技法を用い作品を制作し、椅子やテーブルを始め、日本庭園、寺院、世界遺産に至るまで、様々なものにデコレーションを施してきた。 どんなものでも、自分の好きなお菓子のデコレーションを施す事によって、自分の身近に引き寄せてしまう、この作品は、世界の至るところに無限に広がっていく。」 
- 渡辺おさむ -

渡辺 おさむ
<略歴>
1980  山口県生まれ
2003  東京造形大学デザイン科卒業

<主な個展>
2000  「渡辺おさむ展」(東京)
2003  「ニシキモカザル展 故郷山口に勝手に錦を飾る」(山口)
2007  「渡辺おさむ個展 トコノマ」ホワイトキューブ京都
2007  「個展Sucre~decorate par Osamu Watanabe~」 代官山モンキーギャラリー
2008  「北京アートフェア」個展ブース(北京・中国)
2008   「ワタナベオサム展」たきい画廊・企画アートワークスサラ(大阪)
2008  「渡辺おさむ個展」シブヤ西武(東京)
2008  「最後の果実」アートワークスサラ(大阪)
2009  シブヤ西武 美術画廊(東京)

<主なグループ展>
2004  新宿伊勢丹VOGUEディスプレイ(東京)
2004  「MINI 2nd Anniversary」六本木ヒルズアリーナ(東京)
2004  「東京コンペ アーバンミュージアム大賞」丸の内フジビル(東京)
2005  「Aランチ」アクシスギャラリー(東京)
2005  「愛地球博 スポーツサミット2005」(愛知)
2006  「国民文化祭やまぐち2006」文化庁より制作依頼(山口)
2007  「GOOD DESIGN GOOD SENSU」松坂屋(東京・名古屋)
2007  「アミューズアートジャム東京2007」新宿高島屋(東京)
2007  「五感でアート展」長野県信濃美術館(長野)
2007  「ECO x DESIGN展」上海当代芸術館(上海・中国)
2008  「アートフェアMi Art」(ミラノ・イタリア)
2008  「If you're happy, clap your hands-Japanese artists born in 80'」(上海・中国)
2008  「アートフェアLINEART」(ゲント・ベルギー) 
2009  T&G ARTS(東京)     
      越後妻有アートトリエンナーレ2009「大地の芸術祭」(小沢剛かまぼこ画廊プロジェクトに作品展示)     
           カンヌン美術館(韓国)

<受賞歴>
2001   審査員特別賞
2005   ターナーアクリルアワード 審査員特別賞
2007   アミューズアートジャム 審査員特別賞

<作家ホームページ>
http://osamuwatanabe.web.fc2.com/index.html



「人が作ったものに触れる時、どんな感じがしますか。 素敵な絵に出会う時、歴史的な建造物に足を踏み入れる時、いい映画を観た時、あなたはなにを感じますか。 わたしは心から休まるのを感じます。 ざわざわと高揚感はあるのですが、心の芯の部分はおちついているのです。 この高揚感と休息を見に来られた方に一時でも届けられたら幸いです。 いろいろと混乱することも多い世の中ですが、心の芯の部分を大切に守って生きましょう。 明日元気に生きるために心を休めることは大切なのだと思います。」 
- 尾家杏奈-

尾家 杏奈(おや あんな)
<略歴>
1987   大阪府生まれ
2009   京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
現在京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画油画専攻在籍

<主な個展>
2009.7.21 - 8.8   「はじまりのはじまり」 ワダファインアーツ(東京)

<主なグループ展>
2008  「先生といっしょ。」ギャラリーヒルゲート(京都)
      「ふたりのWORKten」ギャラリーmizuka(京都)
            「via art Osaka 2008」大阪梅田ブリーゼタワー(大阪):イムラアートギャラリー賞・観客賞4位
            「via art EFD 2008」シンワアートミュージアム(東京):KURATA賞

<受賞歴>
2009   京都市立芸術大学作品展奨励賞



「人は憧れという感情を時に抱き、現実を曲げ、輝かせて日々を生きます。 見られないものや見えないものへの期待、妄想は実態よりも強い鮮明なイメージを伴い、また強く心を引かれたものに対しては現実とは離れた場所でどんどんイメージを増殖させていきます。 私の作品はそんな「憧れ」の産物です。
大好きだったテレビゲーム、そこから空想した幻想的な世界、CGで作られたイラストやデザインへの憧れ、キラキラしたものが大好きで、宝石の広告を切り取りコレクションをしていた小さい時の記憶、 東京に来て何回も思い出した実家の神戸の湿った空気、湾岸線から見える夜景、 今まで恋い焦がれたすべてのものが混ざり合い、形をかえて私の絵に現れはじめてきています。 私の絵にある不可解な模様は、自分の記憶に残る視覚的記憶(主に水と光)からくるものでしょう。」- 廣川惠乙-

廣川 惠乙(ひろかわ けい)
<略歴>
1986   兵庫県生まれ
2009   多摩美術大学絵画学科油画科卒業
現在東京藝術大学大学院油画研究室在籍

<主な個展>
2008  gallery 銀座 フォレスト(東京)

<主なグループ展>
2007  「via art 2007」(東京)
2008   「via art Osaka 2008」大阪梅田ブリーゼタワー(大阪):松浦隆広(個人コレクター)賞・観客賞1位
      「via art EFD 2008」シンワアートミュージアム(東京):観客賞2位

現在京都嵯峨芸術大学で教鞭をとる1968年生まれのセラミック・アーティスト日野田崇。マンガやコミック世代の日野田にとって親しみやすいモチーフである二次元のマンガ的グラフィティを三次元で表現してきました。

その制作行為を日野田は、「大量生産されては捨てられてゆく物語のカスを拾い集める作業」と考えています。

2006年頃からはそのグラフィックが作品を飛び出し、自由自在に切り取られたカッティングシートが壁や床に増殖し、空間全体で日野田の独創的な世界を展開しています。2次元と3次元を行き来する作品を日野田は「2.5次元」作品と呼んでいます。

リズミカルで有機的な作品のフォルム、愛嬌と皮肉が混じりあうデフォルメされたストーリーのないグラフィック・・・セラミック・アーティストと名乗る日野田の作品は、陶芸、ペインティング、デザイン・・・あらゆる分野をまたぐ、カテゴリーでくくることがもはや無意味ともいえるオリジナリティあふれる作品です。

ここ2年間は海外での発表も多く、アメリカ、ベルギー、スウェーデン、中国、クウェートでのグループ展など、日本だけでなくますますその活躍の場を広げています。

本展では、約6点の新作を発表します。
また、ギャラリーの空間を生かしたインスタレーションを展開する予定です。


世界を認識できる方法は限られている。それは存在自体がどこまでも中庸で宙ぶらりんの人間の限界でもある。
虹の外側には見ることのできない光線がもっとひろがっている。極大と極小の空間はきっと見極められないどこかでつながっている。世界は聴き取ることのできない音に満ちあふれている。
そのようななにかを想像することはできる。
そういった意志と力のみが人間の可能性であり、救いではないか。

一方、現代ほどめまぐるしくアレゴリー(寓話)が垂れ流される時代もかつてなかったのではないだろうか。ハリウッド映画、家系図、経済、民族、ゴシップ、占い...。しかしそれは世界の本質を言い当てるにはおよそほど遠い。
ならばいっそのことそれらをつきまぜたところに別のリアリティが探究できないか。
この数年の試みはそういった意図に基づいている。

日野田 崇



<日野田崇 その他の展覧会>

 「Breaking the Mold: Contemporary Chinese and Japanese Ceramic Sculpture」
会場:The Dennos Museum Center/ミシガン、アメリカ(Dai Ichi Galleryとのコラボレーション)  
会期:2009年4月24日(金)〜9月27日(日)  

「Fragiles -Porcelain, Glass & Ceramics」  
会場:Al-Sabah Art & Design Collection/クウェート  
会期:2009年6月13日(土)〜7月11日(土)

この度イムラアートギャラリーでは「龍門藍展」を開催いたします。

京都市立芸術大学大学院を修了したばかりの龍門藍。これまでに「お人形シリーズ」「レイヤータイツシリーズ」など、同世代の女性を客観的に見つめ、龍門の作品の最も注目すべきヴィヴィッドな色づかいと大胆な構図でオリジナリティある世界を表現してきました。その圧倒的な絵画は、日本だけでなく海外でも注目され、京都の若手で最も期待できるアーティストと言えます。

今回は、龍門が新たに取り組んでいる「冠婚葬祭シリーズ」のひとつ「のし紙」からイメージを得た新作「のし髪」シリーズでギャラリーを演出します。
龍門が興味を覚える「形式化した日本の習慣」。その代表的なもののひとつ、現代社会では当たり前のように使われている「印刷されたのし紙」。その記号化されたイメージに、龍門の感覚がミックスされた「のし髪」とは・・・。龍門の現代を見つめる目は、常に冷静で鋭い。

本展では200cmの大作「のし髪」を含めた新作約10点を展示する予定です。
勢いある龍門藍の注目の個展を是非ご覧ください。


「最近ではスーパーマーケットでもコンビニでも購入できるのし紙。
もともとは、贈り物に貴重品である伸しアワビを添えて贈るという習慣や、"結ぶ"という行為が形式化して、ひろく一般的になったものらしい。
同じ"結ぶ"ことで自分にとって身近に感じるのは、友達へのプレゼントにリボンを結んだり、毎朝の髪を結う行為だ。

常に変化を続ける日常のスタイルの中で、いつの間にか習慣が風習となり、伝統になったもの。
ファッションや伝統行事などにも同じ事が言えるが、私はそのように変化する文化そのものや、その過程に興味を持っている。
形式化し、伝統的な記号として作用するイメージに、日常的な現在の感覚を取り入れ、対照的に示すことで双方の意味や行為を意識化したい。

龍門 藍

この度イムラアートギャラリーでは「高桑康二郎展 - アタラシイヒトの方へ -」を開催いたします。

本展では、現在パナマで意欲的に制作を続けている、高桑康二郎の新旧約10点の作品を展示いたします。明るい色彩で丁寧に描かれた高桑の作品は、一見、爽やかな空気をまとった心地よい日常の一光景のようです。しかし、そこには、異次元の諸要素が重なり、不思議な重力の世界が広がっています。
これから何が起こるのか、予測しがたい意味深長な高桑作品を目の前にして、私たちは不思議なざわめきを感じずにはいられません。会期中は、作家がパナマより来廊する予定です。ぜひご高覧ください。


「アタラシイヒトの方へ」という名称は、大江健三郎さんのエッセイ集のタイトルの一部をカタカナへ変更したものです。私は、この本を数年前に読んだのですが、読んでいると恐れを忘れ、穏やかな気持ちになれたのを記憶しています。残念ながら、この本の中で、新しい人についてどのように書かれていたのか、今では覚えていません。
私達の生きるところには、見えないけれど、とても多くの世界があるように感じます。そして、新しい人とは、その特定の1つの世界の住人として大きくなるのではなく、多くの世界の住人として、小さくても常に新しいバランスを模索しながら生きているような人だと感じます。
私は、そのような何かを少しでも表現できればと願っています。

高桑 康二郎

この度イムラアートギャラリーでは、ベ・サンスン(BAE Sangsun)展「関係の形 - 結び目 -」を開催いたします。

ソウルの美術大学を卒業後、東京、ロンドン、そして京都と制作拠点を変えながら果敢に独自の表現を追及してきたベ・サンスン。主に大作に見られる白いキャンバスに木炭や青墨で描かれた作品、そして黒のベルベット生地に面相筆で幾重にもジェッソの線を塗り重ねた作品。白と黒のみで描かれるベの作品は「私たちが他人と結ぼうとする人間関係」を形にしたものです。
本展では180cm程度の大作を含めた新旧作約7点を展示する予定です。VOCA展での出品二回や個展など日本での活動はもちろん、韓国、ドイツ、アメリカでの発表など、エネルギッシュに動くベ・サンスンの当ギャラリーでは初めてとなる個展を是非ご覧ください。



「私たちが世の中に生まれる瞬間、へその緒はママと赤んぼうを連結してくれる唯一の生命の線である。その生命の線は、私たちが唯一視覚で確認することのできる'関係の形'なのかも知れない。そして、へその緒が切られる瞬間から私たちは、目に見える関係の線から離れ、独立した状態で生きて行く。その切り離された時から、孤立感を補うための行為として、私たちは他人との関係を結ぼうと努め一生を過ごすことになる。

私の芸術の前提は、人間が一人では生きられず、誰かと '関係を結ぶ努力'を継続する、というところにある。目と目があう瞬間、肌と肌が触れ合う瞬間、まさに人と人との出会いの始まる瞬間が私の制作の出発点である。そして絶えず変化する人間関係の観察が主に制作に関わっているともいえる。
制作においてすべての線は人々を形象化している。その線たちは重なったり、団結したり、狂ったり、集まったりして、新しい出会いを追い求めるように多様な形をつくっていく。そうして形をもった黒い固まりたちは、人間関係から出てくる色々な感情で成された蓄積物を意味する。深さのわからない真っ黒な暗さは、へその緒から離れた、孤独な人の気持ちかもしれない。」

裵 相順(ベ・サンスン)



白と黒。もっとも無に近い黒と白の平面にベ サンスンは絵画を生成させる、その手法は二つあり、ともに線描によって成る。ひとつは、青墨をまぜたジェッソの白いキャンバス画面に、木炭でひいた線や、手の指ですり込んだ線が、無数に生まれて連なり、面や、太い線となって命の脈動するような感動をたたえる。
もともと人体デッサンに基づく抽象化した輪郭線から出発していることもあって、有機的な線の韻律があり、それが生命のつながり、結びのかたちにもつながっている。
もう一つの手法は、黒の布地の画面に細筆による白の繊細、軽快な描線を無数に積層させ、描き残した黒い穴などの画背の無限の深淵が広がっているような描面である。
情緒をそぎ落とした黒と白の禁欲的ともいえる色と一本の線から絵画を成り立たせていくベ サンスンの作品は、感覚的な色のふるまいや作法の新奇さに甘えた近年の絵画動向とは対極の、根源的な描画に足場をおいている。
その真摯な創作姿勢から生み出される絵画の生命力を期待とともに見守っている。

太田垣 實(美術評論家)

この度、イムラアートギャラリーでは初の個展となる三瀬夏之介展「J」を開催いたします。

本展は来年1月に東京の佐藤美術館で開催される、三瀬にとってこれまでの集大成となる個展「冬の夏」への前哨戦ともいえる個展となります。
三瀬は、奈良に生まれ奈良で育ち、そして京都市立芸術大学大学院で学びました。2002年トリエンナーレ豊橋での大賞受賞をはじめ、その後も日経日本画大賞出品、文化庁作品買上のほか全国的な規模で個展、グループ展、美術館での出品などを数多く行い、今や日本画の世界だけでなく美術界全体から注目される存在となりつつあります。
そして一昨年は、五島記念文化財団研修員として一年間イタリア、フィレンツェに渡り、また昨年は大原美術館アーティストインレジデンス(ARKO)に参加するなど、その活動はますます精力的になってきています。

三瀬の作品は自分の生まれ育った奈良や日本など、自分の居る場所を題材描かれています。フィレンツェでの一年の滞在は、三瀬に新たな出会いやパワーを与えて、大きく彼を成長させるものとなりました。そんな彼がホームグランドに戻り、新たに日本・奈良を描きます。その名も「J」。この「J」にはどんな思いが込められているのでしょうか。

本展では初挑戦となる屏風作品も制作いたしました。 絶えず進化を続ける三瀬。是非ともご高覧ください。



最初に断っておくが"J"とは"Japan"のことではない。

この展覧会のために制作に励んでいたとき、必ずぼくの心の奥底に響いていた存在、それが"J"だ。 描きたいという切実なる初期衝動が一番大切だとはいえ、作家とは何をどこまで知っているべきなのだろう?

基底材や絵具などの材料知識、保存のことまでを考えた技法知識、自作の位置づけに関する歴史知識、自作の流通や発表に関する社会知識、描き続けていくためのサバイバル的予知能力、などなど書き出せばきりがないほどに多い。もちろん知らぬが仏ということもある。

実は"J"とはその存在が非常に怪しい。史実と伝説のはざまに生きる存在、それが"J"だ。 彼のことをしっかりと調べ、認識し、描き、直視しない限り、彼は荒ぶり、猛り、この国を滅ぼすことになるような予感がぼくにはある。 今回の個展をきっかけに、今まで見て見ぬ振りをしていた"J"とようやく向きあえるような気がしている。

三瀬夏之介

この度イムラアートギャラリーでは「川村悦子 自然のかたちを求めて」を開催いたします。

川村悦子の作品を前にした者は誰もが、その卓越した技術と美しさに圧倒されます。油絵具のマチエールを際立たせるのではなく、何層も塗り重ねることによって描か れた画面は、まるで日本画のような気品さと透明感にあふれています。

これまで川村が描いた自然の姿、「蓮」や「樹木」などは、時に力強く、時に繊細で、 それはまるで私たち人間の姿のようにも見えます。川村の命あるものへの深い眼差し、 私たちはそれを感じ、川村の作品に感動するのではないでしょうか。

本展では新作5点をメインに展示いたします。 是非ご高覧ください。


ARTIST STATEMENT

最近、箔を絵のなかに用いるようになった。 均一で光りを跳ね返す豪快さと、箔特有の無機質な冷たさが、揺れ惑う油彩画面に、 一種の威厳と自信を添えてくれる。

私を動かすのは、描く対象を追い求めるなかで、 その芯の部分に迫ろうとするほどに遠のく対象の存在の不確定さだ。手許を凝視しながら 時々その手許が巨大な象のようにも、 あるいはひとかけらの小さな豆粒のようにも感じ られるのは、単なる視力の疲労によるものかもしれないが、こういった幻覚体験は絵描き の密かな愉しみともいえる。

普段は見えない日常の裂け目が、ぽっかりと口を開け、 自然のさまざまな現れと交歓できる幸せな時間が待っている。箔は意外に面白い裂け目を 見つけだす視覚の入口でもある。

川村悦子

 

 

この度イムラアートギャラリーでは日本画家、渡邊佳織の展覧会「祈り紙 ~inOrigami~」 を開催いたします。

渡邊は、現在京都の美術大学の修士課程二回生在学中ですが、すでにイタリアでのグループ展参加、写真家・蜷川実花の監督作品「さくらん」の劇画協力など積極的に活動し、日本画の枠におさまらずあらゆる分野で注目を浴びている期待の若手日本画家です。

絹地に描かれた少女の透き通るような肌、丁寧に引かれた線描、そして少女の胸元や手のひらから飛び立つ折鶴やリボン。この色彩のコントラスト、静と動の対比は、あどけなさと成熟さを併せ持つ少女の多感さを、そのまま表現しているように見えます。その幻想的で力強い、そして大学での模写で身に着けた確かな技術によって描かれた渡邊独特の絵画世界は、見るものを引き付けます。

本展では120号、80号の大作を含めた新作約5点(予定)をメインに展示いたします。是非ご高覧ください。


Artist Statement

制作する上で考えていることは、「いかにひとの現実逃避を促せるか、矛盾が調和し幸福な違和感を与えてくれるユートピアを描けるか」ということです。また何よりも自分にとっておもしろいものであるということを目指し、かたちは変わりながらも描いてきています。
折り紙は、鋭く危険なように見えますが、紙でできているし非常に脆い性質を持ちます。それが、儚げな少女と同居している様子に幻想的な作品展開の可能性を感じ、取り上げてきました。特に、「非常に脆弱であるがとても鋭利で近寄りがたい子ども独特の空間(安全地帯)」を表したいと思い制作しています。子ども、特に少女は、身体的なイメージ(綺麗な髪、滑らかな肌)も相俟って、より神聖な空間を作っているように感じます。 

渡邊佳織

この度イムラアートギャラリーでは、山﨑史生の個展を開催いたします。

牛、鶏、山羊・・・家畜の頭に子供の胴体に、純朴な佇まい、しかし圧倒的な存在感を放つ山﨑史生の彫刻たち。10年前に美術大学を卒業して以来、構想を練りつづけて、いよいよ完成した表現を一昨年に個展で発表。本展では160cm程度の大作を含めた新旧作約3点を展示する予定です。日本のみならず海外のコレクターからも圧倒的な支持を得ている山﨑史生の世界を是非ご覧ください。


Artist Statement

'静かな隣人'では家畜を擬人化しているのですが、その根底にあるテーマの一つに'鬼'があります。鬼に対して抱く概念は所説様々なものがありますが、ここでは抑圧され加害者になりえるもの、そして仏教的自然の一変化のこと、とします。 具体的には日本の仏教系の鬼に牛頭、馬頭鬼というのがいて、これは出会えばかならず理由なき殺人をおこす、お坊さんまで殺めてしまう凶悪な怪物なのですが、もとは動物を呵責した人間の罪の意識が生みだしたものなのです。
僕はこの怪物に興味を持ち、それは'静かな隣人(silent neighbor)'という作品の内にコンコン湧き出しています。もっとも、作品は兇暴性のない傍観者として造っているのですが。 そして身体(特に顔)の歪み。極端な言いかたをすると生命の有り方の本質は歪み(もしくは歪みを補おうとする力)にあると思っています。この歪みを作品のなかでデフォルメし、又、それを補整することで命の有り方を模倣出来ないだろか、と考えています。

 

この度イムラアートギャラリーでは上田順平個展「パチモン」を開催いたします。

上田順平は先日第11回岡本太郎現代芸術賞展において岡本敏子賞を受賞しました。 彼は2005年京都市立芸術大学大学院の陶芸科を修了し、陶作品であることへのこだわりをもって、様々な作品を制作しています。 彼の作品は一般的にイメージされた陶芸=器やクラフト、クラシックな素材でなく、あくまで素材としての陶であり、しかし陶でしかなしえない表現、確固たるこだわりをもって、一般的な陶に対するイメージを覆すような作品です。

まず視覚にそのキャッチーな見た目の面白さが飛び込んできます。本展「パチモン」では名前の如く、色々とおとぎの国から名前をパチった(盗んだ)作品を一同に展示します。 メインの作品である「キンタウルス」でいえば、まずそのネーミングのとおり、金太郎とケンタウルスを融合した出で立ちで、頭にはヘルメット、口にはマスク、そして足は木彫りの熊、背中には霊柩車が乗っかって扉もひらくなかなか粋な演出もされています。 ほかには桃太郎と招き猫例えば普段使っているポットに死ぬほど取っ手や注ぎ口が付いていたり(ぶら下がっていたり)、どれだけお金がたまるのだろうと思うような、とてつもなく大きい貯金箱(でも後ろ姿はいささかワイセツ)、今回受賞した作品は学生紛争を思わせる姿を彷彿とさせるような出で立ちでも、絵本にでてくる主人公であったりと、作品には彼の中の改造や装飾に対してのこだわりや、現代社会への皮肉や風刺を多くとり入れ表現しています。 その表面的な上辺だけの表現だけでなく、工芸的要素である作品の仕上がりとしての美しさ(施釉、フォルム、窯変)を秘めており、陶だからこそ表現できる、土を捻って生み出される繊細なフォルムや、釉薬、焼成の質感といった、物質そのものが生み出す美しさは、作品のなかに奥ゆかしさや重厚感となって観客に訴えかけてきます。

本展では岡本敏子賞を受賞した作品と小品を合わせて展示いたします。 上田はこれまでに関西・中部では美術館をふくめ、すでに様々なシーンで発表を続けております。陶芸界のみならず、多方面での注目を集めており、若いながら知名度を上げております。 是非ともご高覧ください。

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