イムラアートギャラリー [京都/東京]

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この度イムラアートギャラリーでは三年ぶり、京都でも二年ぶりとなる山本太郎個展「古典 -the classics- チェリー」を開催いたします。

「ニッポン画」とは、
一、今現在の日本の状況を端的に表現する絵画ナリ
一、ニッポン独自の「笑い」で諧謔を持った絵画ナリ
一、ニッポンに昔から伝わる絵画技法によって描く絵画ナリ

山本太郎は古典絵画に現代的な要素を加えることで日本画ならぬ「ニッポン画」を描いてきました。
近年そういった作品の中に物語的要素を取り入れる試みを行っています。物語といっても自分自身の体験談や新しい物語ではなく、日本の古典の物語です。長く読み継がれてきた古典文学には人生の普遍的な要素が多く含まれます。また古典には、引用が引用を呼び様々な時代の文化や考え方が地層のように積み重なっているという特性もあります。古典絵画の中にもそのような古典文学や和歌などを下敷きにした作品は数多く見受けられます。

この「古典 -the classics-」の展覧会シリーズは2010年に名古屋、東京、金沢を巡回しました。今回はイムラアートギャラリー京都にてこの「古典 -the classics-」を開催します。副題は「チェリー」としました。
昨年制作した「桜川」と「隅田川」という謡曲をテーマにした大作(各H169*w167cm(二曲一双))を展示するほか、源氏物語をベースにしたお花見の風景を描いた新作「花下遊楽図(仮)」をはじめ、小作品の新作も数点展示いたします。
オープニングレセプションでは、少し早いお花見気分で和楽器によるミニライブを開催いたします。古典文学と「ニッポン画」の共演を是非お楽しみください。

この度イムラアートギャラリーでは八幡はるみ展「Kaleidoscopic Yuzen -柔らかい絵-」を開催いたします。

八幡はるみはこれまでに、絹や木綿、ウールモスリンなどの素材に、コンピューターを使ってのデジタルプリントやスクリーンプリント、箔をを用いたり、シェイプドダイと呼ばれる手法を自ら考案するなど、様々な技法を駆使して、装飾・文様美を追求してきました。
今回は3年ぶりとなる4回目の個展です。テーマは「Kaleidoscopic Yuzen -柔らかい絵-」。ダイナミックでありながら、どこまでも自由で、美しい、八幡はるみの染色と装飾の世界を是非ご高覧ください。


今回の展覧会で、八幡はるみは布の柔らかいかたまりのような造形物を制作している。

壁にかけて鑑賞するものなのに裏面にも表現があったり、作品に家紋の刺繍がほどこされていたり、不思議にユーモラスだ。そのふわりとした立体感は思わず手で触れたくなるが、さりとて日常生活での用途があるわけでもない。これはいったい何なのだろう。

どうやらテキスタイルでもソフトスカルプチャーでもない、布の新しいたたずまいが提示されているらしいのだ。
染織のさまざまな方法が思うがままに展開されているのも興味深い。亜熱帯植物をモチーフにして、染め、プリント、刺繍、裁断・縫合、市販布地のコラージュなどが駆使される。ひとつの技法にこだわったりストイックに追求したりするのではなく、子どものように布に触れ、装飾の世界に遊ぼうとする姿勢がそこにある。

展覧会カタログテキストより:成実弘至


かつて芸術を志しながら布をつくる喜びを知り、寄り道してみようと思った。おそらくそこが私のスタート。

襟を正した芸術にはない親近感を見た。この柔軟性、汎用性はかけがえのない根拠としてますます強く私にある。色や形を空想する、イメージする、えがく、染める、縫う、見る、着る、使う、どれもが等価だ。

「染める」を深めていくにしたがって、その豊かさが日本にあったことを嬉しく思うし、なくなりつつあることを悲しく思う。アジアだ。手の国ニッポンだ。そんなことを考えながら、今回は布が欲するくとを自然な「絵」にしてみたいと考えた。

八幡はるみ

この度イムラアートギャラリー京都では木村秀樹展を開催いたします。

木村秀樹(1948年 京都市生まれ、大津市在住)は1974年京都市立芸術大学西洋学科専攻科修了。
吉原英雄らに続く第二世代として関西版画界を常に牽引してきました。
国内外での個展、グループ展、コレクション多数。
2008年の第21回「京都美術文化賞」など受賞多数。
1998年より京都市立芸術大学の教授を務め、多くの若手作家の育成に貢献しています。

今回は当ギャラリーでの3年ぶり四回目の個展。
120*120cmの大作や16枚におよぶ30*30cmの作品など、新作のガラス絵を中心に
20点を越える作品を展示する予定です。是非ご高覧ください。


絵画の支持体が、透明、つまりガラスである事による実験です。
近代絵画の最終、究極の到達点であり、同時に無限の課題と言えるものは、
消え去る事、無い事、つまり透明性ではないでしょうか?
素材(アクリル絵の具を含む)として、透明、半透明、不透明、を使い分けながら
透明性の向こう側が見えないか、、、と。

木村秀樹

この度イムラアートギャラリーでは宮本佳美展「immortal plant」を開催いたします。

宮本佳美(1981年 福岡県生まれ、大阪在住)は2005年京都嵯峨芸術大学付属芸術文化研究所を修了。2008年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了しました。
2010年、現代における写実への取り組みを課題とした、前田寛治大賞展に選出されました。
又、展覧会と同時期の11月から新宿髙島屋にて開催されるARTISTIC CHRISTMAS vol.Ⅳにも出品いたします。
宮本が描くモノクロームは、静謐で美しく、光を感じる、幻想的な世界です。以前は、押し花を漂白して写真撮影したものを描いていましたが、現在はドライフラワーを水につけ、水の中で撮影したものを描いています。本来、花の美しさは造形や色彩、香りですが、押し花やドライフラワーにすることでそれらの美しさをいったん取り除きます。生命には始めがあり、終わりがあり、花の寿命は特に短い。そんな花をずっと変わらない形で留めておきたくて、生花ではなく、押し花やドライフラワーにするといいます。光と共に水中でゆらめく、美しい植物の一瞬の表情をシャッターで捉え、緻密にグラデーションを重ねていきます。

今回は当ギャラリーで初の個展となります。「immortal plant」と題し、100号3点の連作の300号、100号、50号など大作を中心に展示する予定です。
透明感溢れる宮本佳美のモノクロームの世界を是非ご高覧ください。


300号の下絵を作った時に頭をよぎったのは、ルーブル美術館展で見た「聖母礼讃」の絵。
中心の花びらが白く輝き、まわりにフォーカスのはずれた黒々しい花びらや茎がかこんでいる。
その様子が聖母が中央に描かれ、まわりに人々がうごめく空の光景を思い出させる。
目指すイメージは花の舞う様な自由なうごめき、脈動感。いわば激しい踊りの様な感じ。
しかし、時が止まり静かに水の底に沈んでいる。前者は構図で後者はグラデーションの白から黒への描き込みで描く。
花の脈をとても多く描いている。その事についてはまだ答えが見つからない。

宮本佳美

この度、イムラアートギャラリー京都では三瀬夏之介展 「肘折幻想」を開催いたします。

三瀬夏之介(1973年生まれ 奈良県出身)、京都市立芸術大学大学院日本画専攻修了。2009年から山形に拠点を移し、現在は東北芸術工科大学の准教授を務めています。トリエンナーレ豊橋での大賞受賞(2002)、日経日本画大賞出品(2004)、文化庁作品買上に続き、2006年には五島記念文化財団 美術新人賞を受賞。翌年に研修員としてイタリア・フィレンツェで1年の滞在制作を行いました。
続く大原美術館アーティストインレジデンス(ARKO)、そして2009年にはVOCA賞受賞と、着実に画家としてのキャリアを積み、高い評価を得ています。 また、海外でも台北、深圳(中国)、ドレスデン(ドイツ)にて滞在制作やグループ展を行い、日本画という枠組みを越えたフィールドで幅広く活躍しています。 最近ではホワイトキューブでの発表にとどまらず、現在三瀬が拠点としている山形を含む「東北地方」に注目し、大学や地域を巻き込んだ実験的・一時的な展示のキュレーター、ディレクター的役割を努め、その多才振りを発揮しています。
今秋は、当ギャラリーでの個展に続き、五島記念文化財団帰国報告展として東京の第一生命ギャラリー、イムラアートギャラリー東京のオープン記念、そして母校の京都市立芸術大学が京都市内に今年オープンした話題のギャラリー@KCUAにて大きな個展を行います。

ちぎった和紙に墨と胡粉などで描き、貼合わせた巨大な絵が魅力の三瀬。本展では、三瀬が住む山形の温泉地、肘折のタイトルをつけて、十曲一隻の大きく連なる屏風を展示いたします。直径2キロのカルデラ盆地の底に湧きいでる湯とともに1200年の歴史をもつ土地から感じた三瀬の幻想世界が展開します。その他最新作の小作品も展示する予定です。 奈良で育ち京都で学んだ三瀬が、東北の力を吸収して、また京都に帰ってきます。当ギャラリーでは2年ぶり2回目の個展となります。是非ご高覧ください。



肘折温泉は大同二年に開湯したと伝えられている。肘折だけでなく、東北各地の多くの寺社や銅山や温泉地が「大同二年に開かれた」という伝承を有している。言わば、歴史的な〈はじまり〉として東北の大地に刻印されたこの謎めいた年号は、坂上田村麻呂による蝦夷征伐と重なり合うことで、大和朝廷による東北の軍事・経済・宗教における制圧の記憶を逆説的に物語っている。

三瀬夏之介による十曲の屏風図『肘折幻想』は、二万年前の「火山の爆発」という、もう一つの肘折の〈はじまり〉を描いたものだが、画家の郷里であり度々モチーフとして描かれる奈良(=ヤマト)に端を発する「ニッポン」の情景と、興味深い因果関係を見せる。

これまで三瀬は、全長三〇メートルを超える大作『奇景』や、『日本画滅亡論』、『日本画復活論』などで、持ち前の諧謔的オリエンタリズムを発揮し、常に「日本画」における「日本」のありようを問い続けてきた。三瀬の描くあけすけな世俗に塗れた富士山や大仏、五重塔などの「ニッポン」の情景は、現代と過去がめまぐるしく交錯する奇怪なコラージュの化粧に覆われており、そのイマージュの版図を今日のアートシーンに拡げるべく、画面は無限に巨大化する気配を漂わせていた。

しかし『肘折幻想』に三瀬は、かつての狂想曲のような表層のアウラではなく、静かに閉じられていく緞帳に似た、ある種の閉ざされた思慮深さをまとわせている。二〇〇八年の作品『ぼくの神さま』でファルスのように画面から突き出していた山々は、ここでは不可視な闇を孕んだ水墨のなかで粘動しており、火山の熱を含んだ蒸気がその輪郭を曖昧化させている。

現在、三瀬は山形に居を移し、『東北画は可能か?』という問いを自ら掲げて制作に取り組んでいる。肘折温泉の起源を「大同」の伝承に依拠して描くのではなく「正史」以前の曖昧模糊とした世界として知覚し、「山の生成そのものの記憶」として描いたその眼差しの先には、自らが指向してきた歴史化・記号化された「ニッポン」の風景に対峙する『東北画』の母型があったはずだ。その寡黙な画面の裏側で、東北の地から「日本画」の「日本」を揺るがすような視座の獲得が準備されている。

宮本武典(東北芸術工科大学 美術館大学センター 主任学芸員)

この度イムラアートギャラリーでは永島千裕展「alien age」を開催いたします。

永島千裕(1983年 静岡県生まれ、東京在住)は2006年に 京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科を卒業。大学在学中から積極的に作品を発表し、トーキョーワンダーウォール2004入選に続き、2007年には大賞を受賞、都庁での個展も実現しました。2008年には東京(たけだ美術・ワンダーサイト本郷)、京都(イムラアートギャラリー)で個展を開催しました。

永島の、紙にアクリルで描かれた作品の特徴として、繊細な線、均質に塗られた背景、無彩色とポップな色の使い分けの妙が挙げられます。それらによって表現された、ここではないどこかの住人・・・。絶え間なく溢れ出る永島の精神世界は、日本画や洋画、イラストやアニメという言葉ではくくれない、新しく独創的な作品として注目に値します。

今回は当ギャラリーでの2年ぶり二回目の個展。「alien age」と題し、120号(193.9*130.3cm)、80号(145.5*112.1cm)など大作を中心に新作約10点を展示する予定です。是非ご高覧ください。



私の絵はビジョンの発生から始まります。
時折浮かぶそれらのイメージは、小さい頃からのものでしたが、それは日常の日々の中で、形に成らずに浮かんでいた無形無類の物事や感覚が、何かしらの衝撃や流れを受けて、一枚の絵のイメージをとったもののようでした。
そしてそのイメージは、真白の紙に向かうことで、画面の中で繋がるようにして絵として実現されるのでした。

そこには確かに言葉にできなかったものや、忘れていたもの、見えていたけれど気づかなかったものが形をとり、現在として在ることが許されていました。
エイリアンの時代、それは、発信され続け、絵の中で交信された、混沌そのままにある時代です。
どこかで誰かがエイリアンである頃、でもその魂はどこかで何かを生んでいるのだと思います。
それがどんな形でどんな色なのか、私はそれを絵を描くことで見てみたいのです。

永島千裕


作家略歴
1983  静岡県生まれ
2006  京都嵯峨芸術大学芸術学部造形学科卒業
 
主な個展 
2007  「うだいの森」青樺画廊/東京
          トーキョーワンダーウォール都庁2007
2008  たけだ美術/東京
          「at the space time」イムラアートギャラリー/京都
          「The stranger」トーキョーワンダーサイト本郷/東京
 
主なグループ展 
2005  「中村邸にて。」展(北海道)
          「DISCOVERY 2005」青樺画廊(東京)
2008  「WONDER SEEDS 2008」トーキョーワンダーサイト渋谷(東京)
 
受賞歴 
2007  トーキョーワンダーウォール2007大賞受賞

この度イムラアートギャラリーでは、龍門藍・桝本佳子展「Mélange」を開催いたします。

同世代の女性ファッションや、日常生活で形式化された行事やしきたりを大胆な構図、鮮やかな色彩で描く龍門藍。機能的役目をもたず日常生活に違和感なく飾られる壷や皿に、日本的装飾モチーフを大胆にぶつける桝本佳子。二人の作品に共通しているのは、日常化または形式化したモノやしきたりを混ぜ合わせて新たな像、かたちをつくることです。
それらは見るものに驚きや意外性を与え、またその組み合わせの妙や大胆さにユーモアや時には残虐性も感じさせます。彼女たちによって顕在化された日常生活の習慣に、この国の雑多で寛容な文化に気づき、不思議な日本の美的感覚に思いを馳せることでしょう。

本展覧会では、龍門藍は大作(h180*330cm)を含めた新作を中心に約5-7点を、桝本佳子は関西では初出展の作品を約4点発表します。二人による「Mélange(メランジュ=フランス語で混合の意味)」をお楽しみください。



桝本佳子 Keiko MASUMOTO
1982 兵庫県生まれ
2007 京都市立芸術大学美術学部工芸科入学
     京都市立芸術大学大学院 美術研究科陶磁器専攻修了

主な個展
2008  「桝本佳子展」 石田大成社ホール (京都)
2009  「壷と皿」 太陽事務 (京都)
2010  「パノラマ 陶の風景」 INAXガレリア セラミカ (東京)
          「TKG Projects #1 桝本佳子」TKGエディションズ京都 (京都)
          「パノラマ 陶の風景」 INAXライブミュージアム (愛知)
          Gallery Jin Projects (東京)

主なグループ展
2006  「新世代の交感」愛知県陶磁資料館(愛知)
2009  「FIX」元立誠小学校 (京都)
2010  「トーキョーワンダーウォール公募2009入選作品展」東京都現代美術館 (東京)
          「装飾の力」東京国立近代美術館工芸館 (東京)

受賞歴
2007  「大学院市長賞」京都市立芸術大学 制作展
2008  「準グランプリ」東京ミッドタウンアワード アートコンペ2008
2009  「館長奨励賞」京展 彫刻部門
          「トーキョーワンダーウォール大賞 (立体・インスタレーション部門)」トーキョーワンダーウォール公募

この度イムラアートギャラリーでは、安冨洋貴展「水景夜話」を開催いたします。

安冨洋貴(1978 年香川県生まれ)は、2004 年に京都造形芸術大学大学院(洋画)を修了し、在学中から公募展で受賞するなど、その高い技量と鉛筆による独自の表現が早くから高く評価されてきました。
2001 年より絵筆から鉛筆に持ち替え、安冨が描き留めておきたいと求め続けているのは、夜の拠り所、植物、水。すべては、作家の感激の瞬間に宿った心象光景を留めておきたいという思いから発しています。

京都では4 年ぶりの新作個展となります。 大作2 点を含む約15 点と、新たに取り組んだミニマルな方法で描いた「線画」作品を展示いたします。




太陽が沈めば闇が出現し、人はその闇の向こうにいろいろな物語を創造します。
茫洋と広がる夜の包容力に包まれ、循環する自然の営みの中で、庇護されていることを改めて感じ、安らかな気持ちとともに闇に溶け込むことを夜は許してくれます。
昼間の社会の中で肥大化した自我も自意識も、大いなる夜の懐の中では所詮小さなものであることに気付かせてくれ、足元の畔に咲く草花の力強い生命力に驚き、悠久の時を変わらず循環する水の豊かさに生命の輪廻を覚えます。
世界は、太陽に照らされた昼間の社会だけで出来ているのではなく、視点を変え、意識が変われば世界はまるで違ってみえます。
純白の紙の地の上に、鉛筆の筆致を幾十幾百と重ねることで「透明な黒」とでも形容したい独特の色が表れる様は、さながら白昼の空が少しずつ闇に染まっていく、その推移を追随するかのようです。

安冨洋貴

この度、イムラアートギャラリーでは英ゆう個展「森」を開催いたします。

英ゆうは、2007年に京都市芸術文化特別奨励制度の認定を受けてタイに渡り、2009年末までバンコクのシラパコーン大学でレジデンスを行ってきました。

かねてからタイの供花や伝説をモチーフにした色彩豊かな油彩画を描いてきましたが、この期間はよりじっくりとバンコクの街を眺めて暮らすうちに、描く対象の大小を逆転したり、だまし絵のような錯覚的なイメージを多く集めて描くようになりました。
またバンコクでは、油彩画の他にレリーフエッチングやモノタイプなどの版画制作にも取組みました。
油彩画とも水彩画とも違う発色、色の変化や、自分の意志以外の力が働いて完成する版画は、作家に新たな刺激を与えたようです。

今回の展覧会では、バンコクで作成した版画作品約18点とチャオプラヤー川を描いた油彩画大作などペインティングを4〜7点展示する予定です。
今回のタイトル「森」には混沌や混雑、現地の熱帯雨林など、バンコクの生活を象徴する意味が込められています。帰国後初の個展となります。
二年間に渡るタイでの成果を是非ご高覧ください。

また、会期を一部重ねて京都芸術センターの大広間で個展「外を入れる。」(6月13日(日)まで)も開催しております。タイで制作した油彩画大作や版画を、畳が敷き詰められた会場でインスタレーションします。あわせてご覧ください。

この度イムラアートギャラリーでは「佐藤雅晴 バイバイカモン」を開催いたします。

佐藤雅晴(1973年 大分県生まれ)は、1996年東京芸術大学美術学部油画学科を卒業後、1999年同大学大学院修士課程を修了。2000年にドイツに渡り、デュッセルドルフを拠点に活動していましたが、今春から、活動拠点を日本に移します。

ドイツ滞在中に独学でアニメーションを学び、制作を続けていましたが、昨年の岡本太郎現代芸術賞にて「アバター11」と題されたアニメーション作品で特別賞を受賞しました。
又、昨年はソウル市立美術館で開催されたCity net Asia2009や、今年1月にはフランス大使館旧事務所棟にて開催されたノーマンズランド展に参加し、去る六本木アートナイトにもビデオプログラムにアニメーション作品で参加しました。平面作品では自身で撮影した写真をコンピューターに取り込み、その画像をトレースし、ペンタブレットを使用してパソコンの画面上で描いていきます。

初期段階に存在していた写真データは消去され、完成した画像を最終的にプリント出力するという手法で制作しています。
写真でも絵画でもなく、又、写真でも絵画でもある、新たなイメージを表現しようと試みています。
アニメーション作品では、平面作品と同様の手法を用いて、映像表現における新たなイメージの表出を目的に制作をしています。
今回の展覧会では新作を含むアニメーション映像作品を3点、平面作品を5点、展示予定しています。
デジタル技術を駆使しつつも手描きにこだわる作家の独特な手法から生み出される表現をご覧ください。


Interview with 佐藤雅晴

一日の平均入場者数4000人という、現代美術の展覧会では異例の集客数を記録したNo Man's Land展。
旧在日フランス大使館を舞台に国内外から多数のアーティスト達が参加。
その中でも異彩を放っていた作家・佐藤雅晴が、日本では2度目となる個展をイムラアートギャラリーで開催する。5月の個展に先立ち、デジタル技術を駆使しつつも手描きにこだわる作家の独特な手法から生み出される表現について話を聞く。

まず、今回の個展のタイトルでもあり、出品作の「バイバイカモン」についてお聞かせください。
佐藤:このタイトルは、ドイツ留学中に見たアダルトビデオから発想を得ています。
ビデオの中で、外国の女優さんが絶頂を迎える時に発した台詞は「come on !」でした。
これは、僕が、その当時まで、日本で認知していた、「いくーっ !」とは真逆の意味でこの「come on !」には「行く」と「来る」二つの意味があることを後で知りました。
エクスタシーに行くのではなく、エクスタシーが来るというニュアンスなのですね。

海外生活に於いて外国語の持つ概念のずれや違いはよく指摘されるところですが、この180度反対の言葉で同じ事を指し示すという複雑怪奇な出来事は作品の表現として転化できるのでは?と思い制作にとりかかりました。
自分のおかれた立場や状況によって生まれるこの矛盾。出品作の「バイバイカモン」では、まさにこの混沌加減が作品化されていると思います。
 
佐藤さんの制作方法について教えて下さい。
佐藤:普段からスケッチや言葉を書き留めているアイディアノートがあって、このノートに描かれたアイデアは、瞬間的にアニメーションでいける!と決定できる時もあれば、一年以上かかってもどちらにしようか迷っている時もあったりと、この選別作業が一番面白いんです。
そしてアイデアを具体化するために、モデルやモチーフを用意し、撮影する場所を探して、まずは実写で撮影を行います。その撮影した動画や写真をコンピューターに取り込んで、Photoshopというソフトを使い、トレースして、あとはひたすらペンタブレットを使って描いていきます。

わかりやすく説明すると、キャンバス(モニター画面)に向かって、絵の具(Photoshop)を筆(ペンタブレット)ではしらせている感じです。そして、原画が完成した時点で、レイヤー分けされた実写のデータは消去され、イメージだけが画面上に定着します。
アニメーションは、このイメージの積み重ねで動きが生み出されているので、作業をしている本人からすると静止画のオンパレードなんです。時間をかけて一枚一枚静止画を描き繋げていってアニメーションの形にしたあとでやっぱり一枚の静止画のほうがイメージをストレートに伝えられることに気づいてしまい泣く泣く他の静止画がお蔵入りしてしまうこともあります。
 
なるほど、ではやはり実写をベースに制作されているから写実的なビジュアルに作品がむすびついているのですね。
佐藤:そうですね。最終的には実写のデータは消去されますが、一度撮影した事物を自分の中で解体しつつも再び元の事物に復元していく感じというか...例えば、僕の実家には仏壇のまわりにたくさんの先祖の遺影が飾ってあって、それを見て育ちました。
遺影というのは印画紙に焼き付ける前にかなり修正されているのです。
皺を取ったり背景を入れ替えたり衣装を合成したりいろいろと加工されることで、その肖像のイメージアップがなされる、つまり単純に記録として定着させるのではなく恒久性を帯びさせていくという点で僕の行っている作業にとても近いと思います。
 
佐藤さんの作品は、暗い、怖いイメージが多いように感じられます、これは意識的にそういったテーマを選んで制作しているのでしょうか?
佐藤:個人的にホラー映画が大好きでよく観ているからかもしれません。
ただ、ホラー映画といっても、普段は目に見えない存在が突然現れて恐怖したり、身体的な痛みの感覚を植え付けながらも虚構で終始するものではなく、メタフィクション(超虚構)を描いている作品、例えば、デヴィット・リンチ監督の「ツイン・ピークス」などは強烈にメタフィクションを感じます。
それに彼の作品を見ていて感じる不安感はとても言葉では言い表せないものですが、リアリティのある夢を見させられている感覚があって、何度観ても新たにインスピレーションを受けます。
 
最後に、これからの展開についてお聞かせ下さい。
佐藤:今回の出展作品のアニメーションはすべてループ映像として制作しています。
去年制作した「Avatar11」でもループの手法を用いて映像にしています。
ループを用いるのにはいろいろと理由があるのですが、例えば、出展作品の「escalator girl」のように下降用のエスカレーターを登って進む人物の行動を一部ぬきとって、それを反復させる事により進むという行為の意味が変化していったり、見る人の受け取り方で無限の広がりを与える事が可能です。
また、ループを使う理由とはちょっとズレますが、展示された映像作品を観賞する際にたまたま途中から見出した場合、途中→終わり→始まりの流れで映像を観ることになってしまい、長時間の映像や起承転結のあるものは余計にこの構造が悪印象につながる事があります。

ただ、一概に起承転結のある映像作品すべてがそういった印象を与えるわけではないと思うのですが、映像表現の持つジレンマみたいなものを無自覚に垂れ流している作品に出会うと、少し傲慢な感じを受けてしまいます。しかし、同じ平面上で展開している絵画にはそのような事は感じずに観れると思うのです。
絵画はその飾られた展示場に佇んでいるというか、いつでも待っていてくれています。
当たり前と言われればそれまでなのですが、絵画のもつ自立性みたいなものを映像表現を使って、今後も「始まりも終わりもない感覚」を表現できないかと考えています。

この度、イムラアートギャラリーでは「上田順平展」を開催いたします。

上田順平(1978年 大阪府生まれ)は、日本の伝統や大衆文化をモチーフにした作品を制作してきました。彼の手から生み出される作品は、生活の中で見慣れているものを違う視点で見せるだけに、私たち現代人を戸惑わせつつも、強く訴えかける力を持っています。そのかたちは単なるパーツの寄せ集めではない新しい生き物の誕生であり、国や文化を越えた造形と言えるでしょう。

しかしその表現は、陶磁器という素材によって制作されている点において、重要な意味を帯びてきます。上田は、異なるキャラクターの組合せや性別の同居、機能と装飾の関係など、様々な要素の混在により作品を構成します。この混在は、現代美術と工芸、西洋と近代以降の日本など「間(はざま)」にある陶芸や自分自身、今の日本をかたちにしたものと言えます。そしてこの表現は、日常的に馴染み深く、「うつわ」になり「おきもの」にもなる、まさにはざまにある「焼きもの」だからこそ可能であり、あらゆるものや思想を受け容れ広がってゆく可能性をもっているのではないでしょうか。この「焼きもの」という特質と上田の創造性が、強く深く結びついているのでしょう。

昨今、日本的な要素をモチーフにした作品は多く見られますが、上田の作品は表面的な見た目の面白さに終始しない、卓越した技術と感性、探究心に裏付けられています。
今回の展覧会はパート1、パート2の二部構成とし、前半は2009年に岡本太郎記念館で発表した大作を展示し、後半では、常に表現の広がりを求める上田が今まで行ってきた装飾を可能な限り排除した新作を約5点展示します。特に後半は今後の上田の方向性を知る上で見逃せない展覧会となります。

昨今、五島記念文化財団の美術新人賞を受けた上田は、9月からメキシコへ渡り、一年間の予定で滞在制作を行います。
ますます広がってゆく上田順平の今とこれからに是非ご期待ください。

■パート1:「帰ってきたウラシマピーターパン」   会期:2010年4月3日(土)〜2010年4月10日(土)
■パート2:「カンゲン」  会期:2010年4月13日(火)〜2010年5月1日(土)

この度イムラアートギャラリーでは「Harmony Analysis: 中山徳幸 渡邊佳織」展を開催いたします。

中山徳幸(1968年、長野生まれ)は、武蔵野美術大学で油絵を学び、2003年にシェル美術賞に入選、2006年にはVOCA展の出品作家に選ばれました。

中山は一貫して女性を描き続けています。中山の作品は、単純化された線によるフラットな描写からは想像もつかないほど、無数の色層の重なりによって成り立っています。キャンバスいっぱいにクローズアップされた女性の顔。モデルは中山自身の中にある記憶やイメージだと言います。
彼の創作は、日常生活における人との出会いから生まれる感情や印象を表現するという極めて個人的で自然な思いから発し、シンプルに昇華された形となって表されています。

一方、成熟した女性ではなく、少女を描き続ける日本画家・渡邊佳織(1984年、静岡生まれ)。昨年、京都嵯峨芸術大学大学院芸術研究科を修了し、京都嵯峨芸術大学卒業制作展では卒業生特別賞を受賞しました。

その高い技術と表現力によって、あどけなさと成熟さをあわせもつ少女の多感な世界を表現しています。そこには、脆弱さと鋭利さが調和した不思議な空間が描き出されています。
男性/女性、アクリル/日本画、この二人に相違点はあるものの、中山と渡邊の作品は美しいという点において共通しています。今回、彼らの旧作と近作を展示いたします。
美しい調和の秘密をさぐるべく、作品との対話をお楽しみいただければ幸いです。

この度イムラアートギャラリーでは「俗なる美意識 − 上田順平・山本太郎・龍門藍」展を開催いたします。

本展覧会の作家たちが用いる技法は陶芸・日本画・油彩とさまざまですが、彼らは現代の日常生活に根ざした視点や感覚で、日本独特の文化意識や慣習がはらむ問題をとらえて制作しています。

伝統的なものから、通俗的、土着的、ときに卑俗的なものにいたるまで、彼らの関心は幅広く、近代以降の日本文化の雑食性を映し出しているようです。その雑食性こそが日本特有の美意識であり、日本文化の一面を表しているといえるかもしれません。

歴史を振り返り、現在を見つめる彼らの作品には、新しさを予兆する何かが表現されています。

この度イムラアートギャラリーでは吉田翔個展 「INSPHERE - つつみ込まれるように -」を開催いたします。

道端に咲く花や光と戯れる夜の街...日常の何気ない風景を絹に墨と胡粉という日本画の素材で描き続ける吉田翔。日本画出身の作家と聞いて一瞬驚くのは、その作品がマチエールを感じさせず、まるでコントラストの強いモノクロ写真と見間違うからではないでしょうか。しかし作品に近づいてみると、吸い込まれそうな漆黒が実は松煙墨、発光しているように眩しい白が白鷺胡粉によって描かれている、正に絵画なのだということを確認するのです。

作品はあくまでシンプルでストイック。展示空間の中で静かに呼吸しているように感じる作品たちは、「主張し過ぎていない、品のある絵。ただそこに佇んでいるような感じの絵が描きたい」、「一枚の絵を見るというよりは、俯瞰して空間の中にどうあるか」を考えながら制作する吉田の言葉そのままと言えるでしょう。

当ギャラリーでは2回目の個展となる本展では「光と影/白と黒」をテーマに、花と夜の街のシリーズを中心に新作を含め約25点を展示予定です。

この度、イムラアートギャラリーでは「伊庭靖子展 - resonance 共鳴・余韻- 」を開催いたします。

伊庭靖子(1967年京都生まれ)は、現在最も注目されている作家のひとりです。
今年2月に開催された神奈川県立近代美術館・鎌倉館での個展では、過去約10年間の作品を展示。
今年4月には、資生堂ギャラリーで開催された「椿会2009:Trans-Figurative」において新作を出品し、
光と質感の表現を探求するストイックな作家の姿勢が広く評価されました。
今年末には、国立新美術館の「DOMANI・明日展」に出品いたします。
今後の活動に一層の期待が寄せられています。

伊庭は、クッションやソファー、果物、磁器など、日常の身近なモチーフを、自然光のもとで自ら撮影し、
その写真のイメージを素材にして、写実的に描きます。
しかし、伊庭が描き出すのは、ハイパーリアリズム的な無機質な世界ではなく、親密な空間そのものです。
筆触を残さずに緻密に描き出した質感と光によって、観る者の五感と記憶を揺さぶります。
見る側を共鳴させ、独特の余韻を与える力こそ、伊庭作品の魅力といえるでしょう。

今回展示するのは、クッションと陶器のシリーズです。110×240cmの大作を含む油彩新作5点とパステル画になります。ぜひご高覧ください。

この度イムラアートギャラリーではZAnPon Exhibitionを開催いたします。

1981年大阪生まれのZAnPonは、大学卒業後に国内と海外の展覧会を経て、SONYやユニクロといった様々な企業とコラボレーションをしてきました。

彼の作品は一見、印刷物かパソコンで処理をしたかのように見えますが、フリーハンドで下書きなしにボールペンで描かれ、色鉛筆で細密に色が施されています。紙の上でボールペンがリズミカルに自由に動き、画面には様々なキャラクターや模様が生まれ、やさしい世界が無限に広がっています。

彼の作品の魅力はフォルムと色の美しさです。
128色以上ある色鉛筆の中から色を選ぶ際、どこに何色を配色するかは、ボールペンによる下絵ができた時点でオートマティックに決まっているといいます。
感覚的な部分で描いていくので、作品の仕上がりのイメージを持たず、ペンが走るまま描き進め、制作途中で彼自身驚きの発見が多々あるといいます。見る側も自分の創造性を刺激され、自分専用にカスタマイズした解釈ができ、それぞれ違ったカタチで楽しんで見ることができます。

本展は4年ぶりとなる待望の新作個展です。エネルギー溢れる、彼の心風景である作品を是非ご高覧ください。




生きている間
ずっとHAPPYな気持ちでいる事は
とても難しいです。

だから、一瞬でも少しでも

人を大切に想い
人に優しくなれる

そんな、キッカケになる
感動を描き続けたいです。

一人でも多くの人が
HAPPYになれることを願って・・・

ZAnPon


ZAnPon

1981  大阪府生まれ
2005  大阪芸術大学工芸学科卒業

主な個展
2005  digmeout cafe/大阪    
     アップリンクギャラリー(東京)
2009  イムラアートギャラリー(京都)

主なグループ展
2005   Compound Gallery(ポートランド、アメリカ)     
      blacklab gallery(ブリスベン、オーストラリア)
2007   Nucleus Gallery(ロサンゼルス、アメリカ)
2008  「GEISAI #11」(東京)
2009  Joshua Liner Gallery(ニューヨーク、アメリカ)

コミッションワーク
2009年、2010年度大阪芸術大学の大学案内
SONY「canvas@sony」VAIO・WALKMAN・HEADPHONEデザイン
UNIQRO「INSPIRED NUMBER 」Tシャツデザイン
TOY'S FACTORY セカイイチCDジャケットデザイン
AndA コラボレーションTシャツ
小学館の百科事典カバーイラスト
りそな銀行「RESONART」キャッシュカードデザイン
MINI「MINIinternational #27 京都」
IdN magazine(香港)
Lodown magazine(ドイツ)
Cream magazine(香港)
Dpi magazine(台湾)

この度イムラアートギャラリーでは染谷聡展を開催いたします。

染谷聡は、現在京都市立芸術大学の博士課程に在学。染谷の作品は、動物や怪獣などのイキモノをモチーフに、 漆という素材の持つ美しさや伝統的な技法と染谷独特の現代的感覚とが融合した、どこかキッチュな立体作品です。 
染谷が現在制作において最も興味を抱いていることは「イメージや記憶、交差するアイデンティティー」。 昔の記憶やイメージと、現在の自分や日常とが混ざり合い、自身に内在する今と昔の関係性を漆を通じて表現します。

今回の展覧会タイトルは「御獣 〜おけもの〜」。イキモノが持つフォルムの美しさに魅せられている染谷ですが、イキモノをモチーフに制作を続けているのは、幼少期に6年ほどインドネシアで生活していたため、 人間と動物との距離が近く、そのイメージが非常に強く、無意識のうちに現在の制作に深く影響しているからです。

又、染谷の作品で特筆すべきは、蒔絵・漆絵・螺鈿・沈金といった漆の伝統的な加飾技法を、 意表をつくイメージやレディメイドの日用品を用いるなど工夫をこらし、まるで子どもが壁に落書きやシールを貼るかのように、 楽しみながら好奇心旺盛に施しているところです。
本展では漆の立体作品に加え、初のイラストを含む新作10数点を展示する予定です。

伝統的な漆という素材を自由な感性でのびやかに表現する染谷聡ワールドを是非ご高覧ください。

この度イムラアートギャラリーでは渡辺おさむ・尾家杏奈・廣川惠乙 グループ展「Entrance into Garden」を開催いたします。

デコレーションケーキに見られるような、絞り出されたクリームの形状を使った表現「Fake Cream Art」で新しい芸術表現分野を確立している渡辺おさむ。ターナーアクリルアワード審査員特別賞(2005)、アミューズアートジャム2007 審査員特別賞受賞などで注目を集めており、 最近では上海、ベルギー、そしてベネチアビエンナーレに参加するアーティストとの二人展、 今夏の越後妻有アートトリエンナーレ「大地の芸術祭」では小沢剛とのコラボが決定するなど世界的に大活躍です。

そんな注目アーティストと共に作品を並べるのは今年の4月から芸大の修士課程にはいった二人の若手女性アーティスト。 尾家杏奈と廣川惠乙。 若手アーティストの発掘と育成を目的とした「via art osaka」「via art EFD」に参加して以来、多くのコマーシャルギャラリーが注目しています。

京都市立芸術大学大学院で油画を専攻する尾家杏奈。ヨーロッパの風景画を思い出させる幻想的な画面に、尾家の好きな"うさぎ"などのキャラクターが登場し、独特の絵画世界で存在感を放ちます。

そして神戸出身で多摩美術大学卒業後、東京藝術大学大学院の修士課程に在籍する廣川惠乙。ペン、鉛筆を駆使した白黒の世界に描かれるのは、夢想にふける女の子と水と光をイメージした廣川の視覚的記憶に残る記号・・・。 現実と非現実が混じりあう不思議なイメージの世界に見る側は引き込まれそうです。



「私は表現の根源としてクリームのデコレーションをとりあげる。 私の記憶のなかには、製菓教室の講師である母親がいつも作っていたケーキがある。 それは私が生まれてきた環境に常にあったものであり、深い印象を私の視覚に、記憶に残した。 そのクリームの表現方法に魅力を感じ、永遠に形が残る食品サンプルの技法を用い作品を制作し、椅子やテーブルを始め、日本庭園、寺院、世界遺産に至るまで、様々なものにデコレーションを施してきた。 どんなものでも、自分の好きなお菓子のデコレーションを施す事によって、自分の身近に引き寄せてしまう、この作品は、世界の至るところに無限に広がっていく。」 
- 渡辺おさむ -

渡辺 おさむ
<略歴>
1980  山口県生まれ
2003  東京造形大学デザイン科卒業

<主な個展>
2000  「渡辺おさむ展」(東京)
2003  「ニシキモカザル展 故郷山口に勝手に錦を飾る」(山口)
2007  「渡辺おさむ個展 トコノマ」ホワイトキューブ京都
2007  「個展Sucre~decorate par Osamu Watanabe~」 代官山モンキーギャラリー
2008  「北京アートフェア」個展ブース(北京・中国)
2008   「ワタナベオサム展」たきい画廊・企画アートワークスサラ(大阪)
2008  「渡辺おさむ個展」シブヤ西武(東京)
2008  「最後の果実」アートワークスサラ(大阪)
2009  シブヤ西武 美術画廊(東京)

<主なグループ展>
2004  新宿伊勢丹VOGUEディスプレイ(東京)
2004  「MINI 2nd Anniversary」六本木ヒルズアリーナ(東京)
2004  「東京コンペ アーバンミュージアム大賞」丸の内フジビル(東京)
2005  「Aランチ」アクシスギャラリー(東京)
2005  「愛地球博 スポーツサミット2005」(愛知)
2006  「国民文化祭やまぐち2006」文化庁より制作依頼(山口)
2007  「GOOD DESIGN GOOD SENSU」松坂屋(東京・名古屋)
2007  「アミューズアートジャム東京2007」新宿高島屋(東京)
2007  「五感でアート展」長野県信濃美術館(長野)
2007  「ECO x DESIGN展」上海当代芸術館(上海・中国)
2008  「アートフェアMi Art」(ミラノ・イタリア)
2008  「If you're happy, clap your hands-Japanese artists born in 80'」(上海・中国)
2008  「アートフェアLINEART」(ゲント・ベルギー) 
2009  T&G ARTS(東京)     
      越後妻有アートトリエンナーレ2009「大地の芸術祭」(小沢剛かまぼこ画廊プロジェクトに作品展示)     
           カンヌン美術館(韓国)

<受賞歴>
2001   審査員特別賞
2005   ターナーアクリルアワード 審査員特別賞
2007   アミューズアートジャム 審査員特別賞

<作家ホームページ>
http://osamuwatanabe.web.fc2.com/index.html



「人が作ったものに触れる時、どんな感じがしますか。 素敵な絵に出会う時、歴史的な建造物に足を踏み入れる時、いい映画を観た時、あなたはなにを感じますか。 わたしは心から休まるのを感じます。 ざわざわと高揚感はあるのですが、心の芯の部分はおちついているのです。 この高揚感と休息を見に来られた方に一時でも届けられたら幸いです。 いろいろと混乱することも多い世の中ですが、心の芯の部分を大切に守って生きましょう。 明日元気に生きるために心を休めることは大切なのだと思います。」 
- 尾家杏奈-

尾家 杏奈(おや あんな)
<略歴>
1987   大阪府生まれ
2009   京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻卒業
現在京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画油画専攻在籍

<主な個展>
2009.7.21 - 8.8   「はじまりのはじまり」 ワダファインアーツ(東京)

<主なグループ展>
2008  「先生といっしょ。」ギャラリーヒルゲート(京都)
      「ふたりのWORKten」ギャラリーmizuka(京都)
            「via art Osaka 2008」大阪梅田ブリーゼタワー(大阪):イムラアートギャラリー賞・観客賞4位
            「via art EFD 2008」シンワアートミュージアム(東京):KURATA賞

<受賞歴>
2009   京都市立芸術大学作品展奨励賞



「人は憧れという感情を時に抱き、現実を曲げ、輝かせて日々を生きます。 見られないものや見えないものへの期待、妄想は実態よりも強い鮮明なイメージを伴い、また強く心を引かれたものに対しては現実とは離れた場所でどんどんイメージを増殖させていきます。 私の作品はそんな「憧れ」の産物です。
大好きだったテレビゲーム、そこから空想した幻想的な世界、CGで作られたイラストやデザインへの憧れ、キラキラしたものが大好きで、宝石の広告を切り取りコレクションをしていた小さい時の記憶、 東京に来て何回も思い出した実家の神戸の湿った空気、湾岸線から見える夜景、 今まで恋い焦がれたすべてのものが混ざり合い、形をかえて私の絵に現れはじめてきています。 私の絵にある不可解な模様は、自分の記憶に残る視覚的記憶(主に水と光)からくるものでしょう。」- 廣川惠乙-

廣川 惠乙(ひろかわ けい)
<略歴>
1986   兵庫県生まれ
2009   多摩美術大学絵画学科油画科卒業
現在東京藝術大学大学院油画研究室在籍

<主な個展>
2008  gallery 銀座 フォレスト(東京)

<主なグループ展>
2007  「via art 2007」(東京)
2008   「via art Osaka 2008」大阪梅田ブリーゼタワー(大阪):松浦隆広(個人コレクター)賞・観客賞1位
      「via art EFD 2008」シンワアートミュージアム(東京):観客賞2位

現在京都嵯峨芸術大学で教鞭をとる1968年生まれのセラミック・アーティスト日野田崇。マンガやコミック世代の日野田にとって親しみやすいモチーフである二次元のマンガ的グラフィティを三次元で表現してきました。

その制作行為を日野田は、「大量生産されては捨てられてゆく物語のカスを拾い集める作業」と考えています。

2006年頃からはそのグラフィックが作品を飛び出し、自由自在に切り取られたカッティングシートが壁や床に増殖し、空間全体で日野田の独創的な世界を展開しています。2次元と3次元を行き来する作品を日野田は「2.5次元」作品と呼んでいます。

リズミカルで有機的な作品のフォルム、愛嬌と皮肉が混じりあうデフォルメされたストーリーのないグラフィック・・・セラミック・アーティストと名乗る日野田の作品は、陶芸、ペインティング、デザイン・・・あらゆる分野をまたぐ、カテゴリーでくくることがもはや無意味ともいえるオリジナリティあふれる作品です。

ここ2年間は海外での発表も多く、アメリカ、ベルギー、スウェーデン、中国、クウェートでのグループ展など、日本だけでなくますますその活躍の場を広げています。

本展では、約6点の新作を発表します。
また、ギャラリーの空間を生かしたインスタレーションを展開する予定です。


世界を認識できる方法は限られている。それは存在自体がどこまでも中庸で宙ぶらりんの人間の限界でもある。
虹の外側には見ることのできない光線がもっとひろがっている。極大と極小の空間はきっと見極められないどこかでつながっている。世界は聴き取ることのできない音に満ちあふれている。
そのようななにかを想像することはできる。
そういった意志と力のみが人間の可能性であり、救いではないか。

一方、現代ほどめまぐるしくアレゴリー(寓話)が垂れ流される時代もかつてなかったのではないだろうか。ハリウッド映画、家系図、経済、民族、ゴシップ、占い...。しかしそれは世界の本質を言い当てるにはおよそほど遠い。
ならばいっそのことそれらをつきまぜたところに別のリアリティが探究できないか。
この数年の試みはそういった意図に基づいている。

日野田 崇



<日野田崇 その他の展覧会>

 「Breaking the Mold: Contemporary Chinese and Japanese Ceramic Sculpture」
会場:The Dennos Museum Center/ミシガン、アメリカ(Dai Ichi Galleryとのコラボレーション)  
会期:2009年4月24日(金)〜9月27日(日)  

「Fragiles -Porcelain, Glass & Ceramics」  
会場:Al-Sabah Art & Design Collection/クウェート  
会期:2009年6月13日(土)〜7月11日(土)

この度イムラアートギャラリーでは「龍門藍展」を開催いたします。

京都市立芸術大学大学院を修了したばかりの龍門藍。これまでに「お人形シリーズ」「レイヤータイツシリーズ」など、同世代の女性を客観的に見つめ、龍門の作品の最も注目すべきヴィヴィッドな色づかいと大胆な構図でオリジナリティある世界を表現してきました。その圧倒的な絵画は、日本だけでなく海外でも注目され、京都の若手で最も期待できるアーティストと言えます。

今回は、龍門が新たに取り組んでいる「冠婚葬祭シリーズ」のひとつ「のし紙」からイメージを得た新作「のし髪」シリーズでギャラリーを演出します。
龍門が興味を覚える「形式化した日本の習慣」。その代表的なもののひとつ、現代社会では当たり前のように使われている「印刷されたのし紙」。その記号化されたイメージに、龍門の感覚がミックスされた「のし髪」とは・・・。龍門の現代を見つめる目は、常に冷静で鋭い。

本展では200cmの大作「のし髪」を含めた新作約10点を展示する予定です。
勢いある龍門藍の注目の個展を是非ご覧ください。


「最近ではスーパーマーケットでもコンビニでも購入できるのし紙。
もともとは、贈り物に貴重品である伸しアワビを添えて贈るという習慣や、"結ぶ"という行為が形式化して、ひろく一般的になったものらしい。
同じ"結ぶ"ことで自分にとって身近に感じるのは、友達へのプレゼントにリボンを結んだり、毎朝の髪を結う行為だ。

常に変化を続ける日常のスタイルの中で、いつの間にか習慣が風習となり、伝統になったもの。
ファッションや伝統行事などにも同じ事が言えるが、私はそのように変化する文化そのものや、その過程に興味を持っている。
形式化し、伝統的な記号として作用するイメージに、日常的な現在の感覚を取り入れ、対照的に示すことで双方の意味や行為を意識化したい。

龍門 藍

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