EXHIBITION

この度イムラアートギャラリーでは「高桑康二郎展 ーアタラシイヒトの方へー」を開催いたします。

本展では、現在パナマで意欲的に制作を続けている、高桑康二郎の新旧約10点の作品を展示いたします。明るい色彩で丁寧に描かれた高桑の作品は、一見、爽やかな空気をまとった心地よい日常の一光景のようです。しかし、そこには、異次元の諸要素が重なり、不思議な重力の世界が広がっています。

これから何が起こるのか、予測しがたい意味深長な高桑作品を目の前にして、私たちは不思議なざわめきを感じずにはいられません。会期中は、作家がパナマより来廊する予定です。ぜひご高覧ください。

アタラシイヒトの方へ
「アタラシイヒトの方へ」という名称は、大江健三郎さんのエッセイ集のタイトルの一部をカタカナへ変更したものです。私は、この本を数年前に読んだのですが、読んでいると恐れを忘れ、穏やかな気持ちになれたのを記憶しています。残念ながら、この本の中で、新しい人についてどのように書かれていたのか、今では覚えていません。
では、私の感じる新しい人がどんなかと言うと、ヒトの世界以外のことをヒトの世界の言葉に翻訳する科学者みたいなヒトです。といっても、科学者ということではありません。ある世界と別の世界の間の繋ぎ目にいるヒトということです。
私達の生きるところには、見えないけれど、とても多くの世界があるように感じます。そして、新しい人とは、その特定の1つの世界の住人として大きくなるのではなく、多くの世界の住人として、小さくても常に新しいバランスを模索しながら生きているような人だと感じます。
私は、そのような何かを少しでも表現できればと願っています。

                                                    高桑 康二郎

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高桑康二郎展 ーアタラシイヒトの方へー

2009.2.14 - 3.7

高桑康二郎展 ーアタラシイヒトの方へー

2009.2.14 - 3.7