この度イムラアートギャラリーでは吉田翔個展 「INSPHERE - つつみ込まれるように -」を開催いたします。
道端に咲く花や光と戯れる夜の街...日常の何気ない風景を絹に墨と胡粉という日本画の素材で描き続ける吉田翔。日本画出身の作家と聞いて一瞬驚くのは、その作品がマチエールを感じさせず、まるでコントラストの強いモノクロ写真と見間違うからではないでしょうか。しかし作品に近づいてみると、吸い込まれそうな漆黒が実は松煙墨、発光しているように眩しい白が白鷺胡粉によって描かれている、正に絵画なのだということを確認するのです。
作品はあくまでシンプルでストイック。展示空間の中で静かに呼吸しているように感じる作品たちは、「主張し過ぎていない、品のある絵。ただそこに佇んでいるような感じの絵が描きたい」、「一枚の絵を見るというよりは、俯瞰して空間の中にどうあるか」を考えながら制作する吉田の言葉そのままと言えるでしょう。
当ギャラリーでは2回目の個展となる本展では「光と影/白と黒」をテーマに、花と夜の街のシリーズを中心に新作を含め約25点を展示予定です。