EXHIBITION

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J
2008
和紙に墨、胡粉、金属粉、インクジェットプリントのコラージュ、アルミ箔、染料、印刷物
182242cm
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会場風景
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会場風景
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会場風景
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この度、イムラアートギャラリーでは初の個展となる三瀬夏之介展「J」を開催いたします。

本展は来年1月に東京の佐藤美術館で開催される、三瀬にとってこれまでの集大成となる個展「冬の夏」への前哨戦ともいえる個展となります。
三瀬は、奈良に生まれ奈良で育ち、そして京都市立芸術大学大学院で学びました。2002年トリエンナーレ豊橋での大賞受賞をはじめ、その後も日経日本画大賞出品、文化庁作品買上のほか全国的な規模で個展、グループ展、美術館での出品などを数多く行い、今や日本画の世界だけでなく美術界全体から注目される存在となりつつあります。
そして一昨年は、五島記念文化財団研修員として一年間イタリア、フィレンツェに渡り、また昨年は大原美術館アーティストインレジデンス(ARKO)に参加するなど、その活動はますます精力的になってきています。

三瀬の作品は自分の生まれ育った奈良や日本など、自分の居る場所を題材描かれています。フィレンツェでの一年の滞在は、三瀬に新たな出会いやパワーを与えて、大きく彼を成長させるものとなりました。そんな彼がホームグランドに戻り、新たに日本・奈良を描きます。その名も「J」。この「J」にはどんな思いが込められているのでしょうか。

本展では初挑戦となる屏風作品も制作いたしました。 絶えず進化を続ける三瀬。是非ともご高覧ください。



最初に断っておくが"J"とは"Japan"のことではない。

この展覧会のために制作に励んでいたとき、必ずぼくの心の奥底に響いていた存在、それが"J"だ。 描きたいという切実なる初期衝動が一番大切だとはいえ、作家とは何をどこまで知っているべきなのだろう?

基底材や絵具などの材料知識、保存のことまでを考えた技法知識、自作の位置づけに関する歴史知識、自作の流通や発表に関する社会知識、描き続けていくためのサバイバル的予知能力、などなど書き出せばきりがないほどに多い。もちろん知らぬが仏ということもある。

実は"J"とはその存在が非常に怪しい。史実と伝説のはざまに生きる存在、それが"J"だ。 彼のことをしっかりと調べ、認識し、描き、直視しない限り、彼は荒ぶり、猛り、この国を滅ぼすことになるような予感がぼくにはある。 今回の個展をきっかけに、今まで見て見ぬ振りをしていた"J"とようやく向きあえるような気がしている。

三瀬夏之介

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三瀬夏之介 個展 「 J 」

2008年12月13日(日)〜12月27日(土)

三瀬夏之介 個展 「 J 」

2008年12月13日(日)〜12月27日(土)