EXHIBITION

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会場風景
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会場風景
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キンタウルス
2007
陶磁器
9610073cm
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ツカイノモノ
2006
陶磁器
826341cm
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この度イムラアートギャラリーでは上田順平個展「パチモン」を開催いたします。

上田順平は先日第11回岡本太郎現代芸術賞展において岡本敏子賞を受賞しました。 彼は2005年京都市立芸術大学大学院の陶芸科を修了し、陶作品であることへのこだわりをもって、様々な作品を制作しています。 彼の作品は一般的にイメージされた陶芸=器やクラフト、クラシックな素材でなく、あくまで素材としての陶であり、しかし陶でしかなしえない表現、確固たるこだわりをもって、一般的な陶に対するイメージを覆すような作品です。

まず視覚にそのキャッチーな見た目の面白さが飛び込んできます。本展「パチモン」では名前の如く、色々とおとぎの国から名前をパチった(盗んだ)作品を一同に展示します。 メインの作品である「キンタウルス」でいえば、まずそのネーミングのとおり、金太郎とケンタウルスを融合した出で立ちで、頭にはヘルメット、口にはマスク、そして足は木彫りの熊、背中には霊柩車が乗っかって扉もひらくなかなか粋な演出もされています。 ほかには桃太郎と招き猫例えば普段使っているポットに死ぬほど取っ手や注ぎ口が付いていたり(ぶら下がっていたり)、どれだけお金がたまるのだろうと思うような、とてつもなく大きい貯金箱(でも後ろ姿はいささかワイセツ)、今回受賞した作品は学生紛争を思わせる姿を彷彿とさせるような出で立ちでも、絵本にでてくる主人公であったりと、作品には彼の中の改造や装飾に対してのこだわりや、現代社会への皮肉や風刺を多くとり入れ表現しています。 その表面的な上辺だけの表現だけでなく、工芸的要素である作品の仕上がりとしての美しさ(施釉、フォルム、窯変)を秘めており、陶だからこそ表現できる、土を捻って生み出される繊細なフォルムや、釉薬、焼成の質感といった、物質そのものが生み出す美しさは、作品のなかに奥ゆかしさや重厚感となって観客に訴えかけてきます。

本展では岡本敏子賞を受賞した作品と小品を合わせて展示いたします。 上田はこれまでに関西・中部では美術館をふくめ、すでに様々なシーンで発表を続けております。陶芸界のみならず、多方面での注目を集めており、若いながら知名度を上げております。 是非ともご高覧ください。

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上田順平 個展 「パチモン」

2008年4月9日(水)~5月2日(金)

上田順平 個展 「パチモン」

2008年4月9日(水)~5月2日(金)