この度イムラアートギャラリーでは宮本佳美展「immortal plant」を開催いたします。
宮本佳美(1981年 福岡県生まれ、大阪在住)は2005年京都嵯峨芸術大学付属芸術文化研究所を修了。2008年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了しました。
2010年、現代における写実への取り組みを課題とした、前田寛治大賞展に選出されました。
又、展覧会と同時期の11月から新宿髙島屋にて開催されるARTISTIC CHRISTMAS vol.Ⅳにも出品いたします。
宮本が描くモノクロームは、静謐で美しく、光を感じる、幻想的な世界です。以前は、押し花を漂白して写真撮影したものを描いていましたが、現在はドライフラワーを水につけ、水の中で撮影したものを描いています。本来、花の美しさは造形や色彩、香りですが、押し花やドライフラワーにすることでそれらの美しさをいったん取り除きます。生命には始めがあり、終わりがあり、花の寿命は特に短い。そんな花をずっと変わらない形で留めておきたくて、生花ではなく、押し花やドライフラワーにするといいます。光と共に水中でゆらめく、美しい植物の一瞬の表情をシャッターで捉え、緻密にグラデーションを重ねていきます。
今回は当ギャラリーで初の個展となります。「immortal plant」と題し、100号3点の連作の300号、100号、50号など大作を中心に展示する予定です。
透明感溢れる宮本佳美のモノクロームの世界を是非ご高覧ください。
300号の下絵を作った時に頭をよぎったのは、ルーブル美術館展で見た「聖母礼讃」の絵。
中心の花びらが白く輝き、まわりにフォーカスのはずれた黒々しい花びらや茎がかこんでいる。
その様子が聖母が中央に描かれ、まわりに人々がうごめく空の光景を思い出させる。
目指すイメージは花の舞う様な自由なうごめき、脈動感。いわば激しい踊りの様な感じ。
しかし、時が止まり静かに水の底に沈んでいる。前者は構図で後者はグラデーションの白から黒への描き込みで描く。
花の脈をとても多く描いている。その事についてはまだ答えが見つからない。
宮本佳美