この度、イムラアートギャラリーは東京・神楽坂にセカンドスペースをオープンいたします。
新スペース最初の展覧会として、三瀬夏之介個展「ぼくの神さま」を開催いたします。
三瀬が初期のころから取り組んできたモチーフ「ぼくの神さま」。
今回は、1541440cmの大作をはじめ、すべての作品が新作です。
また、ギャラリー内には三瀬が近年取り組んでいるテーマ「東北画は可能か?」を含む「思考アトリエスペース」が出現、基地のようなインスタレーションを展開します。
「絵描き」三瀬夏之介の原点と現在を探る新作展です。ぜひご高覧ください。
どうやらぼくは信じられるものを探しているらしい。そしてそのことと描くことは密接に?がっているようだ。
既存の宗教が大きな過ちを犯し、母なる大地が大きく揺れ動いた1995年、ぼくはまだ22歳だった。それまでぼくをぼんやりと包んでいた安心感と、先行き不透明な不安感といった相反するものが、初めて切実に問われた瞬間でもあった。
大きな存在を信じたいけどそんなものはもうどこにもない。でも何も信じることなく進む人生なんて恐くて想像したくもない。
大袈裟に言うと、この年に最悪のたれ死にを覚悟してでも描き続けていくという肝がすわった。
これまでに「ぼくの神さま」というタイトルで描かれたぼくの絵は何枚かある。過度な幸福感に包まれたり、のがれようのない不安感にさいなまれたときにこのモチーフに取りかかるようだ。
会場には横10mほどのワイド画面に、どうしようもなくチープでハイブリッドな継ぎはぎ神さまが多数立ち上がるだろう。
これはぼくの象徴作りなのである。
三瀬夏之介