イムラアートギャラリー東京では、「ニッポン画」を提唱する山本太郎の個展を開催いたします。山本の描くニッポン画は、日本の昔の絵画を現代の視点で再構成したものです。多層的で混沌とした現代の日本社会を、可笑しみと愛おしさをもって描きます。
本展覧会では、日本古来の暦である二十四節気がテーマの作品シリーズを展示いたします。このシリーズは、放送作家である小山薫堂氏の依頼で制作され、小山氏がプロデュースする京都の老舗料亭、下鴨茶寮のスタッフの名刺デザインとして使用されることが決まっています。小山氏は、故郷熊本の様々なプロジェクトを手掛け、いまや全国で人気の熊本県PRキャラクター「くまモン」の発案者でもあります。同じく熊本出身の山本とのコラボレーションにより今回のシリーズ制作が企画されました。二十四節気とは、春夏秋冬の四季をさらに6つに分けた24の季節を表すもので、日本人の生活に密着した暦として使われてきました。二十四それぞれの季節に名前がつけられ、その時節の行事は大切に受け継がれています。季節に対する繊細な感覚が日々の暮らしの中に息づいている日本ならではの光景といえるでしょう。日本に昔から伝わる暦を、山本ならではの視点で再構成した今回のシリーズは、まさにニッポン画の精神そのものです。本展では、京都にて展示された18点に、新たに制作した6点を加え二十四の季節を一堂に揃え展示いたします。季節の移ろいのなかに描かれる、変わらない四季の美しさと変わりゆく日本の姿の共演をぜひご高覧ください。