この度、イムラアートギャラリーでは、宮本佳美の五島記念文化賞美術新人賞研修帰国記念成果発表展「消滅からの形成」を開催いたします。
絵画における「光と影」を追求する画家・宮本佳美は、あらゆる色彩の水彩絵具を混ぜ合わせた「黒ならぬ黒」というモノトーンの世界を、繊細な綿布の上に表現しています。まるで光を操るように、丹念に、そしてストイックに「白」をハイライトに用いることで、白黒の絵画は研ぎすまされた佇まいを見せています。
五島記念文化賞美術新人賞の受賞をきっかけにオランダへ海外研修に渡った宮本佳美は、17世紀のオランダ絵画における光--「ダッチライト」--に代わる現代の光の表現を追求するため、写真など光学的な技術も手段としながら、絵画という文脈において光と影というテーマに挑み続けています。
本展では、描く対象の植物そのものを白くペイントすることで彫刻的な陰影を描き出した大作をはじめ、オランダ滞在中に感銘を受けた彫刻作品をモチーフに描いた作品など、新作を7点展示いたします。また展覧会初日は、展覧会のオープンにあわせて刊行いたします「宮本佳美 作品集」のブックサイニング・イベントを行います。是非ご高覧くださいませ。
※なお本展は、ポーラミュージアムアネックスでの個展の巡回展です。