染谷聡×川人綾「となりの揺らぎ」by imura art gallery
■会期:2023年1月10日(火)~1月29日(日)
■会場:CADAN有楽町(東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル1F)
■時間:火~金 11時~19時 / 土、日、祝 11時~17時
■定休日:月(祝日の場合は翌平日)
■トークイベント::2023年1月10日(火)18時~19時@CADAN有楽町
染谷聡×川人綾×天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフ・キュレーター)
最新の情報は、CADAN有楽町ウェブサイトでご確認ください。
https://cadan.org
この度、CADAN有楽町にて染谷聡と川人綾による二人展「となりの揺らぎ by imura art gallery」を開催いたします。
染谷聡は、漆を素材に漆芸における装飾行為である「加飾」をテーマに制作し、工芸分野に留まらない作品を生み出しています。加飾の研究を重ねる中で、染谷は過去の漆作品の加飾に見られる微妙なズレに着目しました。このリサーチを自身の作品に昇華した作品が、近年制作している「ミストレーシング」シリーズです。過去の漆作品を、染谷なりにトレース(辿る/写す)することで、品物から垣間見えてくる物語と景色を作品化しています。
一方、川人綾も染織という工芸分野から美術教育をスタートし、パリへの留学を経て、東京での大学院時代に織りの システムを応用した「グリッド・ペインティング」を描くようになりました。神経科学者の父の影響を受け、幼い頃より脳を通して世界を把握しているということを強く意識していた川人は、グリッドの重なりによる錯視効果と、手作業 による制御できないズレがもたらす意図しない美しさをテーマに制作しています。
初めてとなる二人展では、それぞれ自身のテーマに沿った新作を制作しつつ、お互いのコンセプトの重なる部分を意識しながら準備を進めました。同じ対象を見ていても、人それぞれ違う捉え方をしている面白さがある、と二人は言います。自分の目に見えている景色は、横にいる人のそれとは違うのかもしれない、という気づきを会場で感じていただければと思います。
川人さんの「ズレ」に対する関心や工芸的な起点に興味があって、「ズレ」をテーマに一緒に展示ができたら面白そうだなと思っていました。一昨年越しに実現できて嬉しく思います。
僕は今回、土地に根付いた漆器の装飾を自分なりに辿り、写してゆく作品シリーズ、《ミストレーシング》を展示します。同時期に同シリーズを沖縄で展示中なので、その辺とも関連できればと思います。
せっかくの機会なので、いつもより自由にズレて、お互いのズレが良い揺らぎとなって空間に広がればなによりです。
染谷聡
染谷さんにこの2人展をご提案いただいたのは一昨年の秋頃だったが、とても嬉しかったのを覚えている。それまで染谷さんとお会いしたのは1度だけで、たしか数年前の京都のアートフェアだったと思う。その時に沖縄の染織の話になり、興味対象が似ているのかなと思っていた。
私の制作コンセプトは、一言にまとめると『制御とズレ』だが、同じものを見ていても、人それぞれ見えているものが異なるのではないか、という感覚を共有したいと思って作品をつくっている。それは染谷さんの制作にも共通していて、そのことが2人展開催のきっかけとなった。
今回の展示では、お互い肩の力を抜いて、少しいつもと違うことにトライする、というのが裏テーマだ。鑑賞者の方々にも、リラックスして楽しんでもらえたらと思う。
川人綾