imura art galleryでは、2026年10月3日(土)より、日野田崇による個展「着地した光の音楽」を開催いたします。
本展では、日野田が近年取り組んできた「手色形楽(しゅしきけいがく)」の現在形として、新作7点を発表します。日野田は、「手色形楽」という独自の言葉・概念を掲げ、色やかたちそのものが本来持つ価値や面白さを捉え直す試みを続けています。大衆文化をはじめ、陶芸、即興音楽における和声やリズムの形式など、異なる領域から要素を取り込み、それらを融合させながら、新たな造形表現へと展開していきます。
近年の日野田の制作では、色やかたちを決定するための独自のルールが、より明確に取り入れられるようになっています。以前は感覚的に行っていた色彩や造形の選択も、現在では徐々にシステマティックな方法へと変化しています。色やかたちを偶然や感覚だけに委ねるのではなく、一定の関係性やルールを設定することで、造形そのものの可能性を探っています。
こうした制作姿勢の背景には、音楽に親しんできた日野田の経験があります。とりわけ、ロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービンが試みた「色と音」を結びつける考え方からもインスピレーションを得ています。音楽における和声やリズムのように、色やかたちにも一定の関係性や構造を見いだし、それを造形へと展開します。日野田は、音と色のあいだに独自の対応関係を設定しながら、色彩や造形を決定する方法を模索しています。こうした試みは、目に見えない音楽的な構造を、色やかたちを通して具体的な立体へと変換するものです。
音から色へ、色からかたちへ。 そして、それらが陶として「着地」する。
その過程から生まれる新たな作品群を通して、日野田が探求する「手色形楽」の現在をご覧いただけますと幸いです。