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桃田有加里|BS-TBS「Sound Inn "S"」番組ロゴ 描き下ろし

桃田有加里がBS-TBS「Sound Inn S」の番組ロゴ(7月)を作成いたしました。

■放送:第3土曜 7/16(土)よる6:30~7:00  詳細(番組HP)

※Paraviで見逃し配信有り 詳細(Paravi)

作家メッセージ - 「RAY OF LIGHTによせて」

“忘れるにまかせるということが、結局最も美しく思い出すということなんだな。” 川端康成. (1967). 『眠れる美女』. P187. 新潮社. 私が父を亡くしたのは、このロゴを制作する数日前のことでした。 まさに青天の霹靂で、制作も何もかも手に付かない状態でしたが、中川翔子さんが亡きお父様のことを思って作られた「RAY OF LIGHT」を歌われると伺い、何という巡り合わせなんだろうという思いと、父に「頑張れ」と背中を押されているように思え制作に取り組むことができました。 私が父のことでよく思い出すのは、音です。 父は夜遅くに家族を起こさないように静かに...静かに...階段を上る足音。 不器用で下手な冗談をいう声。 そういった大切な“音”が思い出せなくなるときがきっと来るのだろうと、ふとした瞬間に恐怖を感じることがあります。 RAY OF LIGHTの中にも「君のいた記憶の破片 またひとつ消えてゆく」という歌詞がありますが、手で触れることのできない音の記憶はたちまち消えてしまいそうです。 ロゴ作品では旅立つ故人をテーマに制作しました。 大切な人の気配が少しずつ遠ざかっても、残るものがきっとあるはずです。それはその人の核となる部分なのだろうと信じています。