この度、イムラアートギャラリーではソウルを拠点に活躍する韓国の女性アーティスト、リ・ミンホの個展を開催いたします。
ソルボンヌ大学で絵画を学んだリは、2002年から表現媒体を絵画から写真へとシフトさせ、2006年からはコンピューターによる合成技術を取り入れ始めます。どこか絵画的な主題や構図を思わせる彼女の作品は、写真を組み合わせることで完成されます。
本展で紹介する《Fil blanc/ fil rouge(白の糸、赤の糸)》シリーズは、糸玉と風景を別々に撮影し、同一画面上に構成した作品群です。背景には繊維工場の廃墟や海といった抽象的な場所が選ばれ、配置された毛玉はいわくありげな存在感を放ち、シュルレアリズム期の絵画を思わせる超現実的な世界を展開しています。
作家は本作品の「糸」というモチーフに、ギリシャ神話の「アリアドネの糸」といった挿話や、運命の糸といった比喩など、糸にまつわる迷宮や因縁といったキーワードを託しています。一見すると写真なのか絵画なのか見る者を惑わせる、リ・ミンホの非現実的で幻想的な世界観を、是非会場でご高覧いただけますと幸いです。
※ 本展は、KYOTOGRAPHIEのサテライトイベント「KG+ Award 2017」の参加展覧会です。 http://www.kyotographie.jp/kgplus/portfolio/minho-lee/
プロフィール
이민호 (LEE Min-Ho)
URL : http://www.minholee.com/index.htm
略歴
1959年、韓国・ソウル生まれ。
1981年、誠信女子大学校・ドイツ文学科を卒業。
2002年、パリ第一大学(パンテオン・ソルボンヌ)にて学位取得。
帰国後、おもにソウルを拠点に活躍。
主な個展
2015年 「Labyrinth_Ariandne's thread」、Space 22(ソウル)
2012年 「Strange Site_Invisible city」、Trunk Gallery (ソウル)、
ギャラリーヤマキファインアート(神戸)
2007年 「Portable Landscape」、Trunk gallery(ソウル)
コレクション
ソウル市立美術館(韓国)
京畿道現代美術館(韓国)
サン=シプリアン現代アートセンター(フランス)
国立現代美術館(韓国)